The development of Australian markets for Japanese industrial products, 1895-2017
Project/Area Number |
22K01615
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07070:Economic history-related
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 久幸 高千穂大学, 経営学部, 教授 (40327995)
岡部 桂史 立教大学, 経済学部, 教授 (60386472)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
|
Keywords | オーストラリア / 工業製品輸出 / 商社 / 海外市場開拓 / 経営・企業史 |
Outline of Research at the Start |
戦前期に端緒的に欧米との競争下で実現した日本の工業製品輸出に際して直面した課題とその克服過程を検証しつつ、そのプロセスで得られた経験が戦後の本格的な輸出工業化にどう引き継がれたかを検討することで、日本の工業製品輸出の実現のプロセスを長期的視点から検討する。その際、海外市場開拓の障害を克服する際のメーカーと商社の関係性にも注目する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、第二次世界大戦前から欧米企業との競争下で端緒的に行われた日本のオーストラリア工業製品輸出の経験が、1957年の日豪通商協定締結後に本格化する日本工業製品輸出にどのように引き継がれていったのかを検討することで、日本メーカーによる海外市場開拓の過程を段階的にとらえることを目的とする。その際、本研究では、海外市場開拓に際して障害となる現地市場情報の獲得や流通網の整備などで重要な役割を果たした商社の機能にも注目する。 以上の研究課題を解明するため、本研究では戦前にオーストラリア政府が適性資産として接収した企業史料を活用するとともに、広くオーストラリアで公開されている企業史料を活用する。とりわけ前者の企業史料では通常、史料的制約から第三者ではうかがい知ることが難しい、海外市場開拓に際してのメーカーと商社の間の生々しい実態が判明する。また、後者の資料収集に際しては、オーストラリア出身の研究代表者の人的ネットワークによって、オーストラリア、ニュージーランド、南洋群島など、日本=オーストラリア関係史を検討する上で必要となる海外の関連図書館、美術館の図書館員、アーカイブ担当者、キュレーターと密接な関係をもとに広域での資料収集が可能となる。 このように本研究組織は、オーストラリアの経済・史料状況に詳しい研究代表者と、日本国内に所蔵される企業史料に精通した研究分担者が相互に知見を補いつつ、国内外で広くその成果を問うことで、視野の広い研究成果の構築を目指す。 研究初年度となる本年度は、第一に、今後の分析と前提となる資料整理を進めるとともに、第二に、戦前期における大倉組の東海電極製人造黒鉛電極の豪州輸出と同じく戦前期の三菱商事の日産制ダットサン自動車の豪州輸出の分析に関して、海外報告の準備に向けた研究のとりまとめを進めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究における研究課題は主として以下の4つである。第一に、戦前期に端緒的に進められた日本のオーストラリア市場への日本の工業製品輸出の実態と課題(あるいは挫折)の過程を商社の役割にも注目しながら旧NAA所蔵資料を用いて分析する。第二に、戦後復興を経て1957年に日豪通商協定が締結されて以後、日本の工業製品輸出が本格化する過程を日豪のアーカイブ史料をもとに分析する。第三に、第一と第二の課題の関連性を考慮して、日本の工業製品輸出市場の開拓を段階的に検討し、その実態解明する。第四に、その成果を海外および日本の経済史関連学会等で報告し、広く批判を得て成果を取りまとめる。なお、旧NAA所蔵資料とは、1941年12月8日、日本と連合国の開戦を受けて豪州政府が敵性資産として接収した、当時豪州各地で経済活動を行っていた日系企業とその関係者や団体等の記録である。作成年は1899年から1941年までで、対象企業は、三井物産、三菱商事、横浜正金銀行、山下汽船、高島屋飯田、大倉商事、日本綿花などの商社や銀行、海運会社資料である。これら史料群には、通常は残されることのない日々の業務記録等も含まれ、戦前の企業活動や接収された当時の状態を直接的に伝えることから、外部からはうかがい知ることが出来ない海外市場進出をめぐって直面した具体的課題やその克服過程が詳細に判明する。 本年度は、第一の課題を中心に作業を進め、主として、戦前期における大倉組の東海電極製人造黒鉛電極の豪州輸出と同じく、戦前期の三菱商事の日産制ダットサン自動車の豪州輸出の分析を深めた。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究初年度の作業を基礎として、次年度以降では、引き続き資料収集に努めるとともに、以下の研究計画に沿って作業を進める。研究の具体的内容について、戦前における日本の工業製品輸出の解明と、戦後復興期から日豪通商協定締結後の日本工業製品輸出の発展の解明に分けて整理すれば次の通り。 次年度には、戦前に関しては旧NAA所蔵資料の収集、戦後に関しては在豪アーカイブ史料の収集(オンライン)を進める。また、資料収集と合わせて、戦前に関しては電球・ミシンによる市場開拓の実態解明を進め、戦後については日本所蔵の戦後日豪貿易関連資料の収集と分析を進める。さらに研究期間の3年目では、戦前に関しては化学品・雑貨による市場開拓の実態解明を進め、戦後については、自動車・黒鉛電極・電球・ミシン・化学品など戦前期における市場開拓の成果の継承に関する分析を進める。最終年度には、戦前・戦後を通じたオーストラリア市場開拓の実態と商社の役割の解明を進めるとともに、研究成果に関して国内外での成果報告を行う。また、本研究組織では、研究全体の統括および在豪資料の収集・整理を主として研究代表者が、旧NAA資料のうち雑貨輸出の資料収集・分析に関しては研究分担者の大島久幸が、機械輸出の資料収集・分析については研究分担者の岡部桂史がそれぞれ担当する。なお、研究成果については、次年度以降の時期においても適宜、海外学会を中心に成果報告を行って批判を仰ぎ研究成果の充実に努める。
|
Report
(1 results)
Research Products
(9 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
[Book] 戦前期日本の総合商社2023
Author(s)
岡部圭史・大島久幸
Total Pages
370
Publisher
東京大学出版会
ISBN
9784130461375
Related Report
-