Project/Area Number |
22K01644
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07080:Business administration-related
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
長谷川 光一 大阪工業大学, 知的財産研究科, 准教授 (30426655)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 農産地の盛衰 / 農産地 / 地域振興 / 競争力構築 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、農作物を生産する産地がどのように発展・衰退していくのかを調査し、日本の農業経営の発展に資する示唆を得ることを目的とする。農産地を対象とした質問票調査および現地調査を行い、各地域の農業の盛衰の特徴的な事例を把握する。取得したデータから明らかになる特徴的な地域での現地調査を行い、盛衰の理由を探る。これらにより、地域の農業発展のために必要な要因を提示する。
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Outline of Annual Research Achievements |
各地域の主要品目の生産量推移が把握するため目的でデータベースを構築した。これを用い、1973年~2000年の生産地の変化に関する分析を行った。粗生産額上位50品目のうち、年平均の粗生産額が1000億円以上の品目は18ある。粗生産額規模と県別集中度の推移をみると、品目によって異なる動きが見られる。イチゴやトマトはこの期間に粗生産額が伸びている。消費者の嗜好の変化、新品種の開発や物流機能の改善等の影響が考えられる。県別集中度が高くなったのは生乳・乳牛・ブロイラー等の畜産系品目である一方で、熊本県や北海道の生産額が大きく伸びているはずのトマトはそこまで集中度が変化していない。畜産系の品目はその経営に規模の経済が大きな影響力を持つ可能性が伺える。トマトについては、農地の余剰や品目の転換による作付面積の増加、長期輸送が可能な新品種の開発・高速道路の整備や冷蔵輸送の発達等により、熊本県での生産額が大幅に増加した。しかし、地域単位でみた生産集中構造が今回用いた指標に大きく現れるほどの変化にはつながっていない。 データを用いての分析に加え、識者へのインタビューを行い、産地の形成と競争に関する仮説を形成した。産地の形成と競争には次元の異なる複数の条件が存在する可能性がある。具体的は気候条件、生産品目の持つ特徴、流通条件等である。気候条件は品目の生産時期や品質に影響を与える。日本の地理的構造が各産地に固有の条件を付与する。気候の違いで各地域の生産時期がずれることは消費者にとっては品目の安定供給をもたらすが、産地側には生産条件と販売条件に制約を与える。規模の経済はミクロ的には生産性や経営の安定にプラスの影響をもたらすものの、マクロ的には豊作時の過剰生産は価格下落を発生させかねない。このことが単純に規模の経済に関する矛盾を生み出す。今後は、これらの知見を基に、研究を継続する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年末に親族が長期入院し、それに伴う介護が発生した。予定していた現地インタビュー調査および質問票調査の基本設計や調整に十分な時間を割くことが難しくなった。質問票調査は多数の組織を相手に実施するため、質問票の設計に十分な吟味をする必要がある。正確性を重視し、2023年度に実施予定であった調査は2024年度にすることとした。この代わり、識者との電話等を使っての意見交換を行い、可能な限りの下準備を行うこととした。
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Strategy for Future Research Activity |
全国の農産地への質問票調査を実施する。統計データでの分析では十分把握できづらい、小さい規模での新たな取り組みや生産者が体感している問題を把握することを通じて、産地の変化についての興味深い事例を取り上げる。また、平行して識者および取り上げた事例の関係者へのインタビューを行い、産地構造の変化と農作物転換に関する分析を行う。
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