Project/Area Number |
22K01726
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07080:Business administration-related
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Research Institution | Nihon University (2023) Kushiro Public University of Economics (2022) |
Principal Investigator |
松野 奈都子 日本大学, 商学部, 准教授 (40732475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 真一 目白大学, 経営学部, 専任講師 (40825626)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | NPO / コラボレーション / アクター・ネットワーク理論 / 翻訳戦略 / 非営利組織 (NPO) / クロスセクター・コラボレーション / 翻訳 (translation) / 組織間関係 / 翻訳 |
Outline of Research at the Start |
NPOにとって、異なるセクターに属する組織との協働は、活動に必要な資源を安定的に獲得しつつ、社会的使命に沿った活動を行うために有用である。しかし、セクター横断的な協働は、パートナー間の異質性の高さからその形成・継続が困難である。従来の研究によれば、価値観が一致しているパートナーを選択することが望ましいが、現実には、目標達成のために非協力的な組織を活動に巻き込むことが求められる場合がある。本研究の目的は、非協力的な組織をNPOがいかにして協働に巻き込むのかを明らかにすることである。具体的には、彼らに利益をもたらす「迂回路」として協働への参加を設定し、その迂回路に誘導するプロセスを解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、NPOが他組織と協働するプロセスを質的研究によって明らかにすることを目的としたものである。特に、NPOと企業、NPOと行政組織のように異なるセクターに属する組織によって形成されるクロスセクター・コラボレーションに焦点を当てて研究を実施した。2023年度は、北海道根室市で活動する環境保護団体を対象とした質的調査を行った。本年度までの調査によって、市民団体であるNPOが無人島の自然保護という目的を達成するために、漁業協同組合、市役所、他の市民団体からの協力をいかにして取り付けたのかという点に関する質的データを入手することができた。2023年度は、これらのデータをもとにして執筆した論文が『組織科学』57(2)に掲載されるに至った。投稿論文の具体的な内容は次のとおりである。これまでのクロスセクター・コラボレーション研究には、①コラボレーションに影響を及ぼす多様なアクターとそのエージェンシーがどのように可視化されるのかが見落とされている、②可視化された敵対的・非協力的なアクターをいかに巻き込むかが十分に検討されていない、という課題が存在する。そこで、本稿では、アクター・ネットワーク理論を用いた事例研究を行うことで、先行研究の限界を克服できることを議論した。これにより、先行研究で十分に扱ってこなかった非協力的なアクターをいかにしてコラボレーションに巻き込んでいったのかが明らかにされ、アクター・ネットワーク理論のクロスセクター・コラボレーション研究への適用可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
事例研究に必要な質的データの入手は、対面とオンラインでの聞き取り調査を使い分けることによって順調に入手している。また、研究成果を学術論文として出すことができたため、「おおむね順調に進展している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の研究の限界点として、翻訳戦略の主体となったNPO自身の変化について明らかにしていないことが挙げられる。そのため、2024年度は、NPOが他組織と協働する過程において、NPO自身にどのような変化がみられるのかについて研究を実施する予定である。研究に必要な質的データの収集には既に着手しており、2024年度は対面での聞き取り調査、フィールドワークを実施予定である。これらの調査で入手したデータを用いて、国際学会での学会発表、学術雑誌への論文投稿を目指す。
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