Psychological research on the discrepancy between planning and execution
Project/Area Number |
22K01727
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07080:Business administration-related
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
長瀬 勝彦 東京都立大学, 経営学研究科, 教授 (70237519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 亮太 山梨県立大学, 国際政策学部, 講師 (20897441)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | 計画錯誤 / 意思決定 / 開梱効果 / サポート理論 / 開梱 / 焦点化の錯覚 / 先延ばし / 計画 / 実行 |
Outline of Research at the Start |
企業の製品開発や政府の公共事業などのプロジェクトは期間や費用が計画を超過することがしばしばであるが、計画と実行との乖離には人間の心理が介在していることが先行研究によって明らかにされている。計画を立てるときの将来予測が過小になる心理的バイアスについては計画錯誤の研究があり、課題への取組がなかなか始められない心理については先延ばしの研究があるが、両者は別々に議論されてきた。本研究は、両者を統合して、計画と実行との間に乖離が生ずる原因とプロセスについて、またその乖離を縮小する方法について総合的に解明するものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者の長瀬は、計画錯誤の削減に開梱(unpacking)が有効であるという多くの先行研究を踏まえて、複数の計画を立てることがある種の開梱効果をもたらす可能性があると予想し、一つの計画だけを立てる単一計画者と複数の計画を立てる複数計画者を比較する実証研究をおこなった。専門科目を履修する大学生に対して、第一段階として期末試験日の10日前にオンラインでの質問票Aを通知した。第二段階として、当該専門科目の期末試験の問題の末尾に質問票Bを設けた。有効回答数は122であった。結果は、複数科目計画者は単一科目計画者よりも短い計画勉強時間と短い実勉強時間、および全体としてはより詳しく当該科目部分はより簡素な計画内容で、単一科目計画者と同等の成果を達成した。これは複数科目計画者の方が勉強において効率的である可能性を示唆している。人や組織がプロジェクトの計画を立てるときに当該プロジェクトの計画だけを立てる代わりに、並行して取り組む他の課題の計画も同時に立てることによって、より短い作業時間でプロジェクトが完遂できる可能性がある。一方で、複数科目計画者は単一科目計画者よりも勉強時間において計画と実際との乖離が小さいという予測に反して、両者間に乖離の程度の差は見出されなかった。予測の正確性を増すという従来の意味での開梱効果が確認されたわけではないが、複数課題計画者は自分が抱える課題を広く見渡すことによって単一課題計画者よりも効率的に計画を遂行できる可能性があるという点で、この発見は開梱効果のマクロのレベルへの幾分かの拡張として位置づけることが可能であろう。 研究分担者の松井は、心理学的な視点から確率の認知に関する実験をおこない、その実験結果の一部を書籍『不合理な原子力の世界』で報告した。また、感情の観点から二重過程理論に関する英語論文を執筆して海外のジャーナルに投稿した(査読結果は未定)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究計画では実証研究の主要部分としては心理実験と心理学的な調査が計画されている。従来は主として学部の授業の受講生を参加者としてそれらをおこなっていたが、本年度は研究代表者が研究休暇を取得したために授業の担当がなく、多くの参加者を使った新しい実験ができなかった。文献調査については相当程度の論文と研究書を新たに入手して調査することができたが、必ずしも十分に整理できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は本研究計画の実証研究の主要部分である心理実験と心理学的な調査を何回かおこなうことを計画している。担当する学部の授業の受講生らに協力を仰ぐことを予定している。特に計画と実行との乖離について、反省が一つの重要な要因として介在する可能性がこれまでの研究で示唆されたので、それについての追求などを展開していきたい。入手した文献の整理も引き続き進めたい。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)