Project/Area Number |
22K01735
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07080:Business administration-related
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Research Institution | Keio University (2023) Nihon University (2022) |
Principal Investigator |
柴田 明 慶應義塾大学, 商学部(三田), 教授 (10550098)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | ファミリービジネス / 同族企業 / 財団 / 財団所有企業 / ドイツ / ドイツ企業 / ドイツのファミリービジネス |
Outline of Research at the Start |
本研究は、ドイツのファミリービジネスにおいて、同族が設立・運営する「財団」が、事業継承などの際に問題となる株式の分散を防ぎ、同族間で安定した継承を果たすという「ガバナンス」上の役割を果たすと同時に、創業者の理念などに端を発する、当該企業の「社会的責任(CSR)」や「企業倫理」を維持するという、いわば「二重の役割」を果たしており、そのことがファミリービジネスの継続性に大きく寄与していることを明らかにするものである。このことにより、日本国内ではあまり関心が向けられてこなかったドイツのファミリービジネスの実態も明らかにすることができると思われる。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、まず前年度において取り組んだ、ドイツのファミリービジネスにおける「財団所有企業」の全体像や概要、特徴などについての成果をまとめ、研究ノートとして刊行した。ここでは、ドイツのファミリービジネスの概要を確認した上で、ドイツのファミリービジネスにおける財団所有企業を検討するための準備的作業として、財団の概要、財団の3つの基準、税優遇措置、そして財団の法的形態について明らかにし、財団所有企業のメリットとデメリットを考察した。さらに別の論稿において、ドイツのファミリービジネスにおける財団所有企業を説明するための基礎理論について検討を行った。ファミリービジネスを説明する理論には、スリー・サイクル・モデル、エージェンシー理論、スチュワードシップ理論、資源ベース理論、社会情緒資産理論があるが、財団所有企業については主にエージェンシー理論の観点からの説明が試みられることが多い。本研究は、エージェンシー理論以外の代表的理論についても検討を行うことで、財団所有企業研究の理論的検討にさらなる厚みをもたらすことを企図している。ここでは、財団所有企業の「所有者不在」という特質が、エージェンシー理論による分析に一定の限界をもたらしていることがわかったが、他方で他の諸理論についても、財団所有企業の独自性から、その適用可能性には一定の限界があることが分かった。逆に言えば、現状ほとんど取り上げられていない、エージェンシー理論以外の諸理論においてもその適用可能性の余地があるとも言え、今後の発展可能性を探るべきである。さらに本年度は、財団所有企業の研究者である、ドイツ・トリーア大学のヨルン・ブロック教授を訪問し、ドイツのファミリービジネスや財団所有企業に関して研究打ち合わせを行い、今後のインタビューの可能性について協議を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の成果を公刊し、また本年度の文献研究による成果も公刊できたこと、さらにドイツに訪問し、専門の研究者にコンタクトを取り、今後の研究の展開可能性を検討できたこと等を加味すると、概ね順調に推移していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である本年度は、引き続き関連文献を収集し、最新の研究展開についてもフォローしつつ、財団所有企業の実態についての調査を行うための資料収集やインタビュー調査の準備を行う。昨年度に続いて、専門の研究者であるブロック教授とコンタクトを取りながら進めていく予定である。
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