Project/Area Number |
22K01744
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07090:Commerce-related
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
黒川 久幸 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (50282885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上村 聖 城西大学, 経営学部, 教授 (00760604)
土井 義夫 朝日大学, 経営学部, 教授 (80434497)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 生産性 / デジタル化 / 物流 / トラック輸送 / トラック運送業 / KPI / 経営 |
Outline of Research at the Start |
日本では人手不足が深刻な社会問題となっている。そのため物流分野における生産性の向上が必要となっており、2021年6月15日に閣議決定された総合物流施策大綱(2021年度~2025年度)においても物流デジタル化の強力な推進による生産性の向上が示されている。 しかし、物流分野においてデジタル化は遅れており、経営側において物流現場の実態を把握した全社的な改善の取組や荷主企業との連携などを推進する経営判断が行えていない。 そのため本研究では、経営サイドが把握すべき現場データを整理するとともに、経営サイドの意思決定におけるデータの活用方法を明らかにし、データから根拠に基づく経営判断を行えるように構造変革を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
物流の2024年問題として、トラックドライバーの時間外労働時間の上限規制と改善基準告示の改正が適用されることにより労働時間が短くなることで輸送能力が不足し、「モノが運べなくなる」可能性が懸念されている。この問題に対して何も対策を行わなかった場合には、トラックの輸送能力が2024年には14.2%さらに2030年には34.1%不足する可能性があると試算されている。 この問題を解決するための方策の一つとして、物流の飛躍的な生産性の向上があり、本研究ではこの生産性を向上させるための「物流デジタル化の強力な推進」を目的に研究を行っている。 そこで本年度は、昨年度実施した物流事業者の経営層と現場層それぞれに対するヒアリングを踏まえて、トラック運送業の経営管理者を対象としたアンケート調査により、デジタル機器の導入と活用の実態を把握した。具体的には、1,045事業者を対象として、2023年5月にWebによる質問票に対する回答を郵送で依頼した。 アンケートの結果から「デジタル化による経営および業務の革新に向けた取り組み」に対し、4分の3以上が必要性を認識していることが分かったが、その一方で、情報・機器(デジタル機器)の保有に関する回答から導入が一部のデジタル機器に留まっていることが明らかとなった。具体的には、回答者の半数以上が保有している機器は、デジタコ、ドライブレコーダ、検温・血圧等管理システム、運賃請求管理システム、経営管理・会計・請求管理システムの5つのみであった。そして、主たる活用目的は労働時間管理と安全が中心であり、原価低減・生産性向上目的での活用が十分でないことが分かった。また、デジタル機器導入をはじめとしたデジタル化の阻害要因は、「費用、デジタル環境の未整備、社内のIT人材の不足、基幹システム」などの社内要因が上位を占めていることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
トラック運送業の1,045事業者を対象として、デジタル機器の導入と活用の実態を把握するためのアンケート調査を実施できた。そして、デジタル機器を用いて把握しているKPIや契約形態等の相違による把握するKPIの違いを明らかにできた。これにより、順調に研究は進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
アンケート調査からデジタル機器から取得されたデータの活用として、労働時間管理と安全が中心であり、そもそも原価低減・生産性向上目的での活用が十分でないことが分かった。そこで、デジタル機器と得られるデータ、そして得られたデータから求められるKPIの関係を整理し、各KPIを求めるために導入すべきデジタル機器や連携すべきデータの関係が分かるように関係図を整備する。また、トラック運送業が小規模零細な企業が多いことを踏まえ、どのようなデジタル機器から導入を行い、生産性等に関する管理レベルを向上させていけば良いか検討するため企業へのヒアリングを実施する。
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