Project/Area Number |
22K01754
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07090:Commerce-related
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
秋川 卓也 日本大学, 商学部, 准教授 (80367515)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2024: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 物流 / 下請構造 / 社会ネットワーク分析 / エコシステム / ネットワーク分析 |
Outline of Research at the Start |
日本の物流エコシステムは重層的な下請構造にある。高齢化で元請企業を頂点としたエコシステムは早晩に崩壊する可能性がある。元請企業が荷主との関係を強化する一方で、下請企業との地位格差はますます拡大している。元請企業がベースカーゴと収益を寡占するピラミッド型のエコシステムから、各物流事業者が荷主と近い距離で物流サービスを提供するフラット型のエコシステムに産業構造をシフトする必要がある。本研究では、社会ネットワーク分析(SNA)のアプローチを採用し、物流エコシステムの構造を把握する。その結果から重層的下請構造に変わる物流エコシステムのあり方に関する示唆を得たい。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本の物流エコシステムにおける重層的な下請構造の実態を把握することが目的である。90年台の規制緩和に伴う委託物流の加速化に伴い、多くの企業が物流機能を外部化した結果、物流ビジネスの「生態系」が構築された。しかし、その一方で物流業界の下請構造は物流危機の原因の1つとして問題視されている。 本研究は社会ネットワーク分析のアプローチをとる。本年度は、本研究の最大の課題である、社会ネットワーク分析に必要な取引データの入手に注力した。食品メーカーの物流子会社の取引先企業から始めて、その取引先企業といったようにデータ入手を繰り返すことで、階層的な取引ネットワークが把握できる取引関係データを入手することに成功した。 対象業界を「食品メーカー」としたのは、輸送量が多い業種であり、かつ季節変動が大きく下請化しやすい業界構造を有するからである。また、物流子会社をスタート地点としたことは、大手食品メーカーのほとんどが物流子会社を設立して、物流を管理しているからである。したがって、物流子会社を主要顧客として依存している輸送会社は、下請関係にあるとみなすことができると考えた。 大手信用調査会社との協議と協力のうえ、上記の取引データだけでなく、当該会社の従業員数や財務状況のデータも入手できた。よって、将来的には下請ネットワークの位置とのクロス分析が可能である。 ただし、単年度の予算の都合もあり、データの入手が2階層にまでにとどまっている。この点は次年度も継続したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ねスケジュール通りである。【研究実績の概要】で述べたように、本年度は、本研究の最大の課題である、社会ネットワーク分析に必要な取引データの入手に注力した。食品メーカーの物流子会社の取引先企業から始めて、その取引先企業といったようにデータ入手を繰り返すことで、階層的な取引ネットワークが把握できる取引関係データを入手することに成功した。さらに、入手した取引データでもって2層までの下請構造をネットワーク分析を用いて可視化することに成功している。強いて言えば、予算の都合でデータの入手が限定的になったため、可視化が2層までとなった点が予定外となった。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、【研究実績の概要】で述べたように、新しい階層のデータを入手を予定している。そのうえで、ネットワーク分析を用いて、より多層の下請ネットワークの可視化を試みたい。その後、クラスター分析を行って下請構造をもつローカルなネットワークに分化する。クラスター別に荷主企業を統合化した頂点ノードを用意し、近接中心性(特定ノードから他のノードへの最短経路長の合計)を計算して各企業が位置する層を認識する。さらに、次数中心性(エッジの数)と固有ベクトル中心性(次数中心性の高いノードとつながっている程度)などを計算し、他企業への影響力(すなわち元請としての力)を測定して、元請企業の存在と能力を同定する。さらに取引先データの収益性と所有資産(アセット)のデータを使用して、収益性や所有資産が位置する層や中心性指標でどの程度説明可能できるかを回帰分析で検証する。物流産業企業の収益性が下請構造によってどの程度規定されるのかを実証したい。
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