Comprehensive study on the dynamic influence of customer experience on purchase decisions
Project/Area Number |
22K01763
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07090:Commerce-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
ウィラワン ドニ・ダハナ 大阪大学, 大学院経済学研究科, 教授 (90432426)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 顧客経験 / 消費者行動 / マーケティングモデル / 関連購買 / オンライン店舗 / プロモーション |
Outline of Research at the Start |
顧客経験の効果および管理に対する学問的な関心が年々強まってきている。経営学分野において、顧客経験に影響を及ぼす様々なマーケティング刺激、顧客経験の評価と購買行動との関連性、今後取り組むべき研究課題などが注目されている。実務においても顧客満足につながる顧客経験を実現させる売り場の設計が最重要課題として位置づけられている。一方、顧客経験に関して様々な研究課題がまだ残されており、本研究ではいくつかの重要な課題に焦点を当て、顧客経験のプロセスにおける製品特性・顧客特性・状況要因をダイナミックな視点で捉えつつ、包括的に検証することを計画している。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は顧客経験をテーマに研究活動を遂行し、その成果を4本の学術論文にまとめ、査読付きの学術雑誌にて公開した。1つの目の論文では、関連購買という購買経験に影響を与える3つの要因(動機、店舗ロイヤルティ、マーケティング活動)の相対的な重要性について実証分析を通じて明らかにした。分析結果から、関連購買の行動の大部分はマーケティング施策、とりわけ価格プロモーションによって説明できることが明らかになっている。2つの目の論文では、オンライン保険というサービスに着目し、商品特性やマーケティング施策により消費者のサービスの採用行動がどのように影響されるかを検証している。ここでは、採用するサービスの種類、採用タイミング、および採用パターンへの影響に焦点を当て、異なるマーケティング手段の有効性を分析している。実証分析の結果から、採用サービスの種類に対するインターネット広告の効果が他のマーケティング手段と比べ大きいことが分かった。3つ目の論文では、観光市場に着目し、環境客の購買経験がその後の購買金額にどのような影響を与えるか実証分析を行った。ここでは、来日経験のある中国観光客を対象に、彼らの過去の観光経験が日本に滞在する際のある商品の購買金額にどのように影響を与えるか調査した。本研究では、観光の経験が購買金額に対する商品関与の仲介変数になっていることが明らかになり、過去の滞在経験が将来の購買金額に正の影響を与えるという重要な知見が得られた。4つ目の論文では、小売業における快楽サービスの消費経験が消費者の購買行動にどのような影響を与えるか、ショッピング・モールのデータを用いて実証分析を行った。ここでは、モール内に提供されている快楽サービスの売上げがモール全体への売上げの効果を推定し、短期的および長期的な影響を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度において研究計画が順調に実施されていると考えている。研究計画書に記載したように、本年度では来店機会における顧客経験(例えば、娯楽施設の利用や新商品情報の取得による楽しい経験)が次の来店機会における顧客の店舗内刺激に対する反応およびその評価に与える影響を明らかにすることを目的としている。当該研究を遂行するに当たり、共同研究者より中国のショッピングモールのパネルデータの提供を受けたため、文献レビューを実施した後、すぐにデータ分析に着手することができた。当該研究の成果をまとめた論文は査読付き学術誌であるJournal of Retailing and Consumer Servicesに採択され、2023年1月に刊行された。 また、本年度では伝統的なオフライン市場に限らず、オンライン市場における顧客経験の役割についても研究を実施した。具体的には、オンライン保険市場において消費者のサービスの導入経験が次のサービスの採用行動やパターンにどのような影響を与えるかを調査した。当該研究データアンケート調査のデータを用いて実証分析を実施した。本研究の成果をまとめた論文は査読付きの学術誌であるInternational Journal of Electronic Commerce Studiesに採択され、2022年10月に刊行された。 以上の研究成果に加え、関連購買と観光マーケティングに関する研究を実施し、その成果を2本の論文にまとめた。これらの論文は査読付きの学術誌であるJournal of Strategic MarketingとJournal of International Consumer Marketingに採択された。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、顧客経験のテーマを中心に本研究プロジェクトを継続する予定である。今年度では、とりわけ各購買時点における顧客経験が来期の購買機会においてどのように繰り越しされるのか、また、その繰り越しのメカニズムはどのような枠組みで説明できるのかを明らかにすることを検討している。さらに、今期の顧客経験が来期の購買確率や購買金額に対してどのように影響を与えるかも分析対象として考えている。これらのメカニズムを把握した上で、次の段階において顧客経験の長期的なモデルを構築し、実証分析を通じて顧客経験が将来の購買経験の評価および購買行動にどのように影響するかを明らかにしたいと考えている。そのため、今年度では、アンケート調査データと購買履歴データに加え、実験室または自然実験で集められたデータを用いて、あらゆる概念の間の因果関係を正確に補足する必要があると考え、消費者実験の実施を視野に入れている。
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Report
(1 results)
Research Products
(10 results)