Project/Area Number |
22K01791
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07100:Accounting-related
|
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
若林 利明 上智大学, 経済学部, 准教授 (80705666)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
|
Keywords | マネジメント・コントロール / マネジメント・コントロール・パッケージ / 業績評価 / アイデンティティ / 契約理論 / マルチタスク / 複数業績指標 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、全体として以下のことを示す。第1に、従業員の組織に対するアイデンティティは、親会社、子会社の経営者および子会社の管理者のような多層的組織(企業グループ)における権限委譲にいかなる影響を及ぼし、組織業績にいかなる影響を及ぼすのか。第2に、多期間契約におけるアイデンティティの変動性は報酬契約の設計にいかなる影響を及ぼし、組織業績にいかなる影響を及ぼすのか。第3に、これらの結論は、現実に観察されるのか。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、組織がマネジメント・コントロールのために、業績評価に加えて行動目標を用いるべき条件を提示することを目的として研究を行った。具体的に本年度の研究では、数理モデルを用い、組織構成員のアイデンティティと目標設定コストに注目する。その結果、以下の結果が得られた。第一に、組織がマネジメント・コントロールのために業績評価に加えて行動目標を用いる場合、十分なコストで比較的高い目標を設定する必要があることを明らかにした。第二に、アイデンティティとプリンシパルの期待効用との関係はU字型であり、アイデンティティが高まるにつれてプリンシパルの期待効用が低下するケースもあることを明らかにした。第三に、行動目標飲みを用いるコントロールが最適になることはないことを明らかにした。 本年度の研究は、マネジメント・コントロールにおけるアイデンティティの役割に関する先行研究に新たな知見を提供するものである。さらに、本研究はマネジメント・コントロールパッケージに示唆を与える。コントロール・パッケージとは、組織で使用される複数のマネジメント・コントロール要素の組であり、その組み合わせは、相互に依存することもあれば、同じ目的を達成するために、多種多様なコントロール手法から選択され統合されることもある。本研究からは、プリンシパルの期待効用を高めるという観点からは、コントロールパッケージの基本は業績評価を用いた会計的コントロールであり、アイデンティティを用いた社会的コントロールはそれと並列的ではなく、追加的・拡張的なものであると考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は、2編の論文と1冊の研究書を公表することができた。特に論文の1編は、本研究課題で目標とする査読付き海外ジャーナルであり、また、単著の研究書の出版も本研究課題の目標として掲げていたものである。当初、研究課題終了後に出版する予定であったが、大幅に予定を前倒しして出版に至ることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
来年度は、目標決定権を委譲した場合の分析を行う。目標をプリンシパルではなくエイジェントが決定する場合もあるはずだからである。そのような場合に、アイデンティティはどのよう役割を果たすであろうか。また、目標決定の役割に関してオンライン実験を行う。 研究成果は国際学会等において報告予定である。
|