Project/Area Number |
22K01841
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | Gakushuin University (2023) Daito Bunka University (2022) |
Principal Investigator |
周東 美材 学習院大学, 法学部, 教授 (80725226)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | ポピュラー音楽 / ジャニーズ / 米軍基地 / クィア / アーカイブ / うたのおねえさん / 近代家族 / アメリカ / 戦後日本 / アジア / ジェンダー史 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、日本社会が冷戦体制に強固に枠づけられていた1950-60年代に焦点を当て、いかにして戦後日本のポピュラー音楽産業が確立していったのかを解明するものである。戦後日本のポピュラー音楽産業は、①アメリカによる占領の終了と冷戦体制下の対日メディア戦略、②音楽生産体制の革新と芸能プロダクションの成立、③高度経済成長期における新中間層の増大と近代家族の大衆的広がりという歴史的条件のなかで再編成され、アイドル産業などの独自の音楽文化を築いた。本研究は①~③の側面に注目しながら「戦前/戦後」を比較し、また、東アジア諸地域と日本社会とを比較することで、戦後日本のポピュラー音楽産業の成立を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本社会が冷戦体制に強固に枠づけられていた1950-60年代に焦点を当て、いかにして戦後日本のポピュラー音楽産業が確立し、諸外国に見られない戦後日本に特有のメディア文化を成立させていったのかを解明するものである。戦後日本のポピュラー音楽産業は、①アメリカによる占領の終了と冷戦体制下の対日メディア戦略、②音楽生産体制の革新と芸能プロダクションの成立、③高度経済成長期における新中間層の増大と近代家族の大衆的広がりという、3つの歴史的条件のなかで再編成されていった。本研究の目的は、これら①~③の各側面に対して理論・実証の両面からアプローチしていく。 上記の目的の達成のため、本年度は特に①、②の問題について下記のような具体的な課題を設定し、①については文化冷戦に関する理論の批判的検討、②については芸能プロ形成に関する日沖・日韓比較の実証的研究を進めた。本年度は1960年代におけるジャニーズ事務所の成立と米軍基地の関係について考察し、その成果として論文「「未熟さ」の帝国──吉見俊哉のアメリカ論とジャニーズ」、論文「ジャニーズとふたつの東京オリンピック――1990年代半ばにおける国家意識の形成とバレーボール」(印刷中)を発表した。これらの論文では、ジャニーズ事務所における「沖縄の不在(ジャニーズ事務所からデビューしたアイドルに沖縄出身者がいなかったこと)」という問題や、日韓における音楽産業の形成プロセスの問題といったアジア圏での比較を視野に入れながら、1950-60年代の冷戦体制下におけるポピュラー音楽産業の再編成について考察した。また、その成果の一部は、新聞・テレビ等の報道でも公表した。そのほかに、実証的研究基盤の整備を進めるためアーカイブ構築に関する知見を整理し、その成果として論文「クィア文化アーカイブの試み──小倉東個人蔵書の整理・目録化作業を事例として」などを発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インタビューの実施など当初の計画を予定通りに進めることができており、予期していない事態に直面したわけでもないため、おおむね順調に進展していると判断できる。 本年度はジャニーズ事務所と性加害をめぐる社会的関心が高まり、新聞・テレビ等のメディアから本件に関する専門的知見を求められることが多かった。予期せぬ取材対応ではあったが、研究の進捗に大きな支障は生じなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画を予定通りに進めることができており、引き続き、研究課題を遂行していく。今後、予想外の事態が生じることにより資料収集や研究発表が遅滞する場合に備え、現時点で収集・整理されている資料の分析を進める。
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