Project/Area Number |
22K01895
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
谷本 奈穂 関西大学, 総合情報学部, 教授 (90351494)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2025: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
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Keywords | 美容 / 身体 / 医療 / 整形 / 外見 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、美容を目的とする身体加工の社会的意味とそのメカニズムを 明らかにすることである。具体的には、医療が、外見をめぐる差別的な意識(ルッキズムや エイジズム)を促進してはいないかに留意しつつ、人々が美容整形に向かう要因と、逆に抑制される要因を突き止める。手法として、アンケート調査、インタビュー調査、メディア情報の内容分析(テキストマイニング)、文献調査を組み合わせた混合研究法を用い、多角的・包括的な分析を行う。さらに同手法を用いた国際比較研究も行う。私たちの身体に医療 がどの程度まで介入して良いかを考え、身体に関する自律性を取り戻す一助とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は「医療化」が進展する社会において、美容を目的とする身体加工の社会的意味とそのメカニズムを明らかにすることである。医療が外見をめぐる 差別的な意識を促進してはいないかに留意しつつ、人々が美容整形に向かう要因と、逆に抑制される要因を突き止めようとするものである。 今年度は、研究実施計画では、国内におけるアンケート調査、インタビュー調査、海外調査準備を行う予定にしていた。昨年度のコロナ禍による若干の研究の遅れを取り戻すべく、次年度以降に行う予定のアンケート調査項目の検討、および中間成果を公表(総括的な論文執筆と国際発表)を行うことに努めた。 その過程で、がん治療を専門とする医師と知己となり、共同研究を行うこととなった。 アンケート調査項目の検討については、がん治療専門医師とともに、新たな調査を行うべくオンライン会議を3回行なった。がん患者に対するアンケートということで最新の注意を払う必要があり、入念な計画が必要となった。現在は、調査倫理の申請を行なっている段階である。こちらの調査は、来年度(進捗状況によっては再来年度)より開始する予定である。 中間成果を公表について、「美容の文化社会学」を『岩波講座 社会学12巻 文化・メディア』に著した。また「工夫対象としての身体のよそおい」を共著として『〈よそおい〉の心理学 サバイブ技法としての身体装飾』に寄稿した。そして、パリシテ大学にてHealth and Diseases in Modern and Contemporary East Asia A Dialogical Perspectiveに参加し、“The Reality of Cosmetic Surgery in Japan”の発表を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内におけるアンケート調査、インタビュー調査の準備が、おおむね順調に進んでいる。特に、ルッキズム概念について深く考察する機会として、がん患者のアピアランス研究を、その専門医と議論できる機会を得て、共同で調査することが決まったことは、研究の大きな進展といえるだろう。 また、海外における身体や医療に関わるワークショプにも参加し、発表を行い、それらの研究者と情報交換を行うことができた。 以上から、研究は(当初の計画以上とまではいかないものの)おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度、2023年度とも海外で発表・調査を行なってきたので、本年度はむしろ国内における調査に注力する。2023年度に準備を進めてきた、アンケート調査を実施する。一般的なウェブ調査に加えて、(現在、調整中であるが)アピアランス治療を行なったことのあるがん患者に対してのアンケートも行う予定である。ただし研究倫理の審査を通す必要があるので、共同研究者である専門医との議論と合意が必須となる。 またパンデミック状況が改善したので、インタビュー調査も再開する。こちらはすでにインフォーマントを得ているので、早めに実施する予定である。 それ以外に、雑誌や研究書も収集し、文献調査も継続する。 以上、アンケート調査、インタビュー調査、文献調査を通して、美容に向かわせる/抑制する社会的要因を調べ、その際にはルッキズムやエイジズムの問題にも焦点を当てることとする。
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