Project/Area Number |
22K01920
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | Hiroshima University of Economics |
Principal Investigator |
津口 純 (阿部純) 広島経済大学, メディアビジネス学部, 准教授 (50636090)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | ライフスタイル / 倫理的消費 / DIY / ハンドメイド / 食 / 雑誌メディア / 地域文化誌 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、「良い暮らし」の倫理的規範を伝えるメディアとして、2000年以降に創刊されたライフスタイル雑誌や自主流通冊子に着目する。東日本大震災以降、自分(たち)の暮らしの「当たり前」を見直すことを目的とした自主流通冊子が全国各地で発行され、SDGsがメディアを賑わすようになった2015年からは、「暮らし」を再考する気運が地球規模の環境問題と接続し、衣食住に直接関わるような実践が各地で行われるようになった。これらの倫理的規範が、どのような社会的要因の元に駆動してきたのかについて、ライフスタイル雑誌を中心とした言説分析や自主流通冊子制作者へのインタビューなどの質的調査を通して検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、本研究の基盤となるライフスタイル雑誌の表象分析の中でも、特に2010年以降に刊行されたライフスタイル雑誌の分析を進め、「自分で決める」や「ゴキゲン」であることが重視されるなど、自己啓発的な傾向を見せつつあることが見えてきている。これらの内容については、広島経済大学研究集会で報告した。5月には、編集部へのインタビューも行い、これまで進めてきた分析とともに書籍にまとめるべく、執筆作業を進めている。合わせて2023年度中盤から、民藝研究のプロジェクトにも参加しており、ライフスタイル雑誌の中の「民藝」という視座のもと、「民藝」で語られる「生活の美」と今日の「良い暮らし」の関連について議論、発表する機会も得ている。 また、2023年度も西日本で開催されたハンドメイドの衣料品や雑貨のマーケット、有機野菜を販売する八百屋の集まりに足を運び、どのような思いのもとに制作・耕作をされているかの情報収集を行なった。その中で見られたのは、社会の動きに対する疑義だけでなく、「みんなでつくる」「街や風景が変わる」ことに重きを置く姿勢であった。この姿勢がどのような背景のもとで語られているものなのかについて、引き続き考察していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、1ライフスタイル雑誌の言説分析と合わせて、2「暮らし」にまつわる自主流通冊子を制作している方々へのインタビュー調査を踏まえて、その背景となる倫理的規範について考察することを目的としている。2023年度は、1のまとめ作業を進行するとともに、2に向けて、まず倫理的消費の理論的展開を整理した。その上で、インタビュー先を検討するために、農に携わる若者たちが集まる複数のイベントに足を運んだ。実際に農業に従事している人たちだけでなく、何かの形で農や食に関わりたいと思っている人たちなど、さまざまな立場の人たちの話を聞くことができたが、インタビューまで辿り着けなかったので、この部分については2024年度の課題としたい。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、先の「進捗状況」で挙げた1についてまとめ、書籍の形で刊行することを目指す。2についてインタビュー先を確定し、調査を進めたい。その上で、インタビュー調査をふまえた分析について学会や学術誌上で発表したいと考えている。
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