学校教育現場における慢性疾患や障害のある子どものきょうだい支援ツールの開発と試行
Project/Area Number |
22K02014
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08020:Social welfare-related
|
Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
滝島 真優 成蹊大学, 文学部, 研究員 (80794718)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
|
Keywords | きょうだい児 / きょうだい / 学校教育 / 障害 / 慢性疾患 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、慢性疾患や障害のある人の兄弟姉妹(以下、きょうだい)に対し、学齢期や学校教育現場で求められる具体的な支援内容に係るニーズ調査を実施し、当事者ニーズに基づいた学校教育現場の機能と役割を検討する。当事者ニーズや先進的知見・実践を踏まえて、学校教職員に対するきょうだい児支援の必要性に係る知識・技術の普及およびきょうだい児が必要とする支援に繋ぐことを目的としたツールを作成し、学校教育現場において試行、検証する。これらの取り組みを通じて、学校教育現場におけるきょうだい児支援の基本的理解の構築と、学校教育現場と地域を繋ぐ支援システムの構築に向け、有用な手法を提言することを目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、2022年度に障害のある人の兄弟姉妹(以下、きょうだい)を対象に実施した質問紙調査の結果について、量的・質的分析を実施した。量的データ分析については、IBM SPSS.ver29を使用し、カイ二乗独立性検定を実施した。質的データ分析についてはクリッペンドルフの内容分析を用いて分析を行なった。18歳以上で研究趣旨・研究方法・配慮事項について確認、了承したと回答し、欠損値を除いて分析対象となった回答は115であった。回答者の年齢は23.21±3.41(平均値±標準偏差)歳、回答者の8割が女性、出生順位は第一子が4割と最も多かった。障害のある兄弟姉妹(以下、同胞)は、7割が身体的な介護や世話が必要な状態であった。 学齢期のきょうだい児に対する予防的支援の必要性から、問題が顕在化しづらいきょうだい児が影響を受けやすい要因を明らかにすることを試みた結果、家族、社会、個人全てのシステムにおける要因によって、行動面や精神面に影響が見られた。特に、統計的な分析によって家庭内の緊張や同胞のケア役割など、家族システムにおける影響と行動面や精神面における影響との関連が示されたことから、学校においては家庭内での状況を背景とした学校におけるきょうだい児の姿を理解する必要があることが考えられた。 加えて、自由記述の質的分析を行い、きょうだい児の支えとなるものを保護因子の視点から検討した。きょうだい児の支えとして、きょうだい児自身の立場を理解することのみならず、教員や同級生が同胞や障害そのものを理解することがきょうだい児の保護因子に繋がる可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2023年度の研究目的は、質問紙調査で得られた知見をまとめ、その知見をもとに当事者ニーズに基づいた学齢期や学校教育現場で求められる具体的な支援内容を明らかにし、学校教育現場で活用できるツールの素案を作成することであった。質問紙調査で得られた知見をまとめることはできたが、2023年10月より産前休暇を取得することとなり、ツールの素案の作成には至らず、研究計画を育児休暇終了後に延期することとした。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究再開後は、下記の通りに研究を遂行することとする。 (1)きょうだい児を対象とした支援活動を再開し、学齢期のきょうだい児のニーズ把握を継続して行うとともに、2023年度の後半で実施予定であった学校教職員に対するきょうだい児支援の必要性にかかる知識・技術の普及および学校システムと地域システムの連携に寄与することを目的としたツールの素案を完成させる。ツールの素案を作成にあたっては、研究協力者とオンラインシステムを活用した会議を複数回開催し、意見を反映させながら作成することとする。また、学校教職員にも意見を求め、学校教育現場で活用しやすいツールの作成を目指す(2024年10月から2025年3月) (2)研究代表者が運営しているきょうだい児を対象とした支援団体の所在地である栃木県内の小学校や特別支援学校の教職員らを対象にツールの試行と効果検証を行う(2025年度)。 (3)ツールの試行と並行し、きょうだい児やヤングケアラーを対象に先駆的支援を行うイギリスの民間組織や学校を訪問し、支援活動の参与観察を行う。参与観察で得られた最新の知見を取り入れた上でツールを完成させる(2025年度予定)。 (4)最終年度は研究成果をまとめ、学会発表や論文を通じて国内外へ発信する。完成したツールについては印刷の上、学齢期のきょうだい児にかかわる学校や関係機関に配布を行い、研究成果を報告する(2026年度)。
|
Report
(2 results)
Research Products
(8 results)