日本におけるマイノリティ集団間の複合と相克に関する当事者団体からの聞き取り研究
Project/Area Number |
22K02016
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08020:Social welfare-related
|
Research Institution | Tokyo Future University |
Principal Investigator |
白石 雅紀 東京未来大学, こども心理学部, 准教授 (50564184)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東田 全央 淑徳大学, その他部局等, 主任研究員 (60892528)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
|
Keywords | マイノリティ / つながりの織りなし / 複合マイノリティ / マイノリティ集団間の相克 / インターセクショナリティ / 多文化共生社会 / 相克 |
Outline of Research at the Start |
これまで日本のマイノリティ問題は、主にマイノリティ集団毎に論じられてきた。だが、個人内におけるマイノリティの重複はあり得る。重複に加え、「マイノリティ集団間の相克(inter-minority conflict)」という事象もある。しかし、日本国内において、マイノリティを包括的に捉える研究は緒に就いたばかりで、マイノリティ集団間の複合と相克の全体像は明らかになっていない。本研究は、国内外の先行研究とマイノリティ当事者団体への聞き取り調査をもとに、日本国内におけるマイノリティ集団間の複合と相克の全体像を把握し始めると共に、相克を乗り越えるための課題を考察することを目的としている。
|
Outline of Annual Research Achievements |
日本におけるマイノリティ集団間の相克の現状と今後について、東京未来大学保育・教職センター紀要『未来の保育と教育』第9号にて「日本におけるマイノリティ集団間の相克とその超克の方向性ーマイノリティ共感などによる多様性の織りなしー」と題する研究論文を発表した。論文では研究実施計画に記載されている、マイノリティの複合・相克における課題と現状、そしてマイノリティ集団間の相克の種類の仮分類を行った。文献研究より、現在の日本において、「ジェンダー(女性)とSOGIマイノリティ」「ジェンダー(女性)としょうがい者・病者」「ジェンダー(女性)と宗教(ユダヤ・キリスト・イスラーム各派))」「SOGIマイノリティと宗教(ユダヤ・キリスト・イスラーム各派)」の4つの相克が確認された。また、相克の種類については「資源制約と社会システムに起因(もしくは依存)する相克」と「宗教的な信念がかかわる相克」があること、また相克に類似する相対においては「マイノリティに対する差別が世代によって強く表出される相対」と「自身の被抑圧体験から他のマイノリティを差別する相対」があることが確認できた。また、相克が蹴っていて綱断絶や深刻な対立にならないため、アイデンティティポリティックス、不安定性、文化、共感といったキーワードを軸に、マイノリティ集団間のつながりを織りなすことを検討した。この他に、複合マイノリティ当事者に対して、インタビュー調査をすすめている。インタビューの経過報告については、令和5年度に学会等での口頭発表を予定している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今後必要となる、マイノリティ集団間における複合と相克を捉える理論的な枠組みの仮構築に向けて、マイノリティ集団間の複合と相克の現状を整理することができた。令和4年度の成果をもとに、今後の研究をすすめていきたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続きマイノリティ集団間における複合と相克を捉える理論的な枠組みの仮構築に向けて、先行研究や当事者へのインタビューを中心に研究を進めていく。 当初の計画ではマイノリティ当事者団体へのインタビューを予定していたが、マイノリティの体験は個人的な体験であることが多いことと、マイノリティ団体としてのインタビューであると、個人的な経験を語りにくくなる場合もあることが想定できるため、マイノリティ団体ではなく、複合マイノリティ当事者に対してインタビューを行っていくことを検討している。この変更があった場合でも、研究計画全般に変更はない。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)