平時の児童虐待対応と災害時の連動-被虐児を救う災害時法制の再構築
Project/Area Number |
22K02075
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08020:Social welfare-related
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
鈴木 秀洋 日本大学, 危機管理学部, 教授 (30780506)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | 災害時避難行動要支援者 / 要配慮者 / 児童虐待対応 / 要保護児童 / 福祉避難所、災害時要配慮者 / 高齢者障害者子ども妊産婦DV虐待被害者等災害弱者 / ガイドライン、取扱指針の改定検証 / 公助・共助 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、社会福祉領域の重要課題であり、コロナ禍で一層顕著となった児童虐待対策に関し、災害等発生時に被虐待児の命を救うための法制度が欠如している点に焦点を当て、改善のための研究を行う。 災害時と平時は連続的対応が不可欠であるが、平時の児童虐待対応に係る指針等には災害時の記述が欠如し、災害時の指針等には被虐待児対応の記述が欠如している。災害時は家庭単位の自助・共助が強調されるが、これでは虐待児を救うことはできない。現行法制の分析・実態調査を行い、災害時に特に配慮が必要な類型として「被虐児」を抽出して法制度に位置付け、平時と災害時の双方連動のアプローチを構築し、子どもの命を救うことを目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
筆者は、自治体における審議会委員を務めておりその機会、また研修依頼等で自治体現場を訪れる機会がありその機会等を利用して、自治体における平時の児童虐待対応と災害時の連動について取り組みついて、ヒアリング調査を積み重ねてきた。 しかし、こうした自治体現場におけるヒアリング調査において、具体的に平時の児童虐待対応を災害時の被虐待児対応が連動している自治体の例はやはりなかった。そこで、引き続き、筆者がこれまで関与し、ヒアリングをしてきた自治体関係者に問題提起と啓発を広げてきた(岐阜県、栃木県、栃木県真岡市、栃木県小山市、東京都、品川区、群馬県、神奈川県、富山県、石川県等)。 特に進展があったのは、東京都との関係で、「東京防災」・「東京くらし防災」編集・検討委員会委員として、『東京くらし防災(改訂版2023)』の冊子中に、「もしかして虐待?をそのままにしない」「子供は、信頼できる養育者との間で「自分は守られている」という思いを持つことが基本的な安心感につながります。避難所で、もし、育児放棄や虐待などの現場に直面した場合、周囲の人や専門の相談機関などに相談しましょう。」(169頁)との記述を入れ込むことができたことであり、大きな研究実績といえる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
能登半島地震の発災により、石川県への現地調査を検討したが、現地の交通機関・復興状態に鑑み、延期をすることとしたが、研究調査自体は、上記【研究実績の概要】で記載したとおり、実績としては順調である。
|
Strategy for Future Research Activity |
前述したように、平時の児童虐待対応アプローチと災害時アプローチの両面からのアプローチがあるが、主に災害時のこどもの命をどのように守っているのかとの観点からのアプローチでの自治体現場への問題提起により、東京都の「東京防災」・「東京くらし防災」編集・検討委員会委員として、『東京くらし防災(改訂版2023)』の冊子中に、災害時の被虐待児対応の記述につながっている。 筆者は、東京都の「避難所管理運営指針改訂に向けたワーキンググループ」の委員として、当該運営指針の検討メンバーとなっており、従前避難所における被虐待児対応が十分なされていない点、その対応指針等が全国の自治体において欠落しているとの問題提起を続け、その対策について記述する方法での働きかけを継続していく。災害時に被虐児の命が救われる仕組み作りの一歩を東京都の担当者とも連携して研究を進めていく(被虐児を救う災害法制の再構築の観点から、その具体化にもつなげたい。)。
|
Report
(2 results)
Research Products
(16 results)