Project/Area Number |
22K02097
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08030:Family and consumer sciences, and culture and living-related
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
大槻 尚子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (20825004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 陽子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (50269495)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 食品ロス削減 / 特定給食施設 / レディフードシステム / 食材料管理 / SDGs / 共起分析 / 食品ロス |
Outline of Research at the Start |
特定給食施設を含む外食産業では年間133万トンの食資源が廃棄されており、食材料の適切な管理は、経済的、社会的、環境的にも重要かつ急務な課題である。これまでに特定給食施設においては栄養管理の評価として、食べ残し(残菜)に関する調査報告は多くあるが、生産・提供の過程で発生する食品ロスに関する報告はほとんどない。 本研究は、特定給食施設の食品ロス削減を目指し、食品ロスの質に影響を与えていると考えられる生産・提供システムに着目した食品ロスの現状把握と課題整理を行う。また、課題解決のための検討を行い、適正な食材料管理に繋げることで、特定給食施設における持続可能な食事の調理・提供を目指すものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
特定給食施設の管理栄養士、調理師長を対象として、令和4年度(初年度)に実施したアンケート調査および半構造化インタビューによる質的調査から、食材料の発注時期や食数の管理が食品ロス削減に繋がることが明らかとなった。また、食品ロス削減に向けた取組みについて、管理者側と従事者には意識に差がある事が示された。 令和5年度は、昨年度のインタビュー調査で協力を得た7つの特定給食施設に勤務する調理従事者(管理栄養士、栄養士、調理師、調理員)163人を対象に食品ロスに関する意識についての自記式アンケート調査を実施した。また、7施設の中で、食品ロス削減の取組みを行っていない1施設の協力を得て、食材料の発注、納品、調理、提供までの各過程での食品ロス発生状況の把握や課題の抽出を目的とした介入試験を行った。 調理従事者を対象としたアンケート調査の結果、「食数対応」、「発注」、「盛付け」過程における作業が、食費ロス発生に関与していることが明示された。また、介入調査を行った施設では、「発注過程」での予備食数の見積もり方法についての課題が明らかとなり、対象施設における課題解決の方策として、予備食数の見積もり方法の適正化により年間で総額約210万円を食材料費として削減できることが示された。加えて、これら課題の解決方法について、数量的・金銭的に「見える化」し、調理従事者へとフィードバックすることで、調理従事者の食品ロスへの意識啓発に繋がることが示された。 同時に、本年度も粥の生産・提供について、レディーフードシステムの一つであるクックチルシステムでの粥調製条件について検討を行った。粥は炊飯直後の品質を保持し続けることが非常に難しく、本年度も継続しクックチル工程を経て炊飯した飯を利用した粥の最適調理条件について、加水量や再加熱の時間や温度に着目し、調理条件を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調理従事者を対象とした食品ロス削減についてのアンケート調査および特定給食施設1施設を対象とした介入試験により食品ロス発生に寄与する要因および見直しによる効果を明らかにすることができた。 また、クックチル米飯を活用した粥の調理条件(加水量や再加熱の温度および時間)について継続して検討中である。 本研究はおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
特定給食施設における食品ロスは「食数対応」、「発注」、「盛付け」の工程で発生していることが示され、中でも予備食の数量の適正化は給食部門において経済的にも好影響をもたらすことが明らかとなった。 最終年度である令和6年度は予備食をはじめとする食数対応の適正化が広範に活用可能かどうか明らかにするために、特定給食施設における食数対応の現状および課題を把握するとともに、その課題解決の方策について検討を行う。また、クックチル炊飯などのレディフードシステムの活用の実現可能性を検討し、適正な食材料管理に繋げることで、食品ロス削減に寄与するためのクックチルを活用した粥の調理条件についても検討を進めていく。
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