Project/Area Number |
22K02127
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08030:Family and consumer sciences, and culture and living-related
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
桑原 順子 福岡工業大学, 工学部, 教授 (40289351)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
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Keywords | 食品粉末 / ピッカリングエマルション / 乳化 / 分級 / 粘度 / 分散 / エマルション / 食品 / 油 / 微粉末 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、各食品素材における微粉末の大きさや粉末表面の粗度、および由来成分の化学変化(親水性-疎水性の有無、加熱による膨潤)が乳化機序と安定性に与える影響、さらにテクスチャーやおいしさとの相関について調べる。同じ素材であっても微粉末の大きさや加熱、粉末表面の粗度や親水性-疎水性の有無で乳化を制御できるのであれば食の楽しみ方はさらに広がる。また、食品のみならず医薬品や化粧品などへの応用が期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、不溶性食物繊維を多く含む白いキクラゲならびに黒いキクラゲ(アラゲキクラゲ)の微粉末の特性を知るために、膨潤時の水温の違いによる吸水性、吸水後の微粉末の粒径を比較した。また、粒径の大小が油/水乳化の際に油滴の大きさに影響するのか調べるため、分級した白いキクラゲ粉末を用いて乳化溶液の油滴サイズの観察を行った。さらに、分級した微粉末の油/水乳化液が与えるテクスチャーとの関係を知るために粘度測定を行った。下記の手順で実験を実施した。 乾燥粉末を自動ふるい装置を使用して、50 μm以上とそれ以下での粒径にて分級を行った。白いキクラゲと黒いキクラゲは構成糖の分布が異なる。また、未分級の粉末も同様に評価を行った。(実験1)食用油または水に対する乾燥粉末の分散性評価 (実験2)実験1にて温度変化が粉末の分散性に与える影響(実験3)油/水に乾燥粉末を加え、機械的撹拌を行い、O/Wエマルションを調製 (実験4)実験3で得たエマルション溶液の粘度、顕微鏡観察を行った。(結果1)白いキクラゲ乾燥粉末の試料を水に分散すると50 μm以上より大きい粉末は50 μm以下の粉末と比べて水中での沈降速度が約10倍増加した。(結果2)加熱により乾燥粉末は吸水、膨潤した。その結果、粉末の運動性が弱まり、沈降せず安定的に分散した。特に50 μm以下の粉末では温度の影響を顕著に受けた。(結果3)調製したO/Wエマルションは加熱条件、かつ50 μm以下の粉末で安定的な乳化状態を維持した。(結果4)結果3で得たエマルションの粘度を測定したところ、加熱条件、かつ50 μm以下の粉末使用時が最も高い粘度を示した。未分級粉末ならびに50 μm以上の粉末では、その値に及ばなかった。さらに、顕微鏡観察の結果、エマルション調製後の油滴の大きさは50 μmより小さい微粉末が最も均一であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の主な目的は白いキクラゲ微粉末の分級、油/水の乳化状態やその粘度について、共に混合する微粉末の粒径の大小で比較することが主たる目的であった。今回導入した蛍光顕微鏡にて乳化状態を観察することができた。予想していたよりも微粉末の自家蛍光が大きかったため、油層をナイルレッドで染色した上で位相差モードでの顕微鏡観察に変更した。他の実験項目については、概ね当初の計画通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の実験結果2,3,4の結果より、今後、さらに50μmより小さな粒径での実験が必要となった。50μmより小さな微粒子を得るため、分級自動ふるい装置に装着するSUS製ふるいの導入を検討している。現段階では、SUS製試験ふるいは、そのふるい目が最小20μmであった。これより小さなふるい目は存在しないため、この条件で調製したエマルションで今後評価することにした。乳化液の摩擦力測定の予備実験を行ったところ、未分級と分級済みの微粒子では摩擦力に若干の相違が認められた。次年度は、あらゆる条件下での摩擦力測定を行い、各粒子サイズ、各膨潤温度での摩擦力測定を行う予定である。また、微粉末表面を親水化処理した乳化安定性、乳化状態を観察する。また、膨潤に寄与する成分については未解明の部分が多いため、構成糖についてGC分析を行い明らかにする。白いキクラゲと黒いキクラゲの膨潤度合いが異なることが明らかとなっており、構成糖の組成が影響している可能性も示唆される。この点についても明らかにしたい。
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