Project/Area Number |
22K02140
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08030:Family and consumer sciences, and culture and living-related
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Research Institution | Wayo Women's University |
Principal Investigator |
水野 一枝 和洋女子大学, 家政学部, 准教授 (80423995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 康 東北福祉大学, 教育学部, 教授 (40261789)
鈴木 春佳 和洋女子大学, 家政学部, 助手 (50807229)
佐古井 智紀 信州大学, 学術研究院繊維学系, 准教授 (70371044)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | 頭部冷却 / 睡眠 / 冷却枕 / 潜熱蓄熱材 / 夏期 / 高温多湿 / 体温調節 |
Outline of Research at the Start |
夏の高温多湿環境は睡眠を著しく妨げる。また、不眠は生活習慣病や抑うつ等、様々な健康被害をもたらす。そこで、本研究では睡眠時の頭部冷却に着目し、高温多湿環境での快眠法の条件を以下2点から解明する。 1)高温多湿環境での頭部冷却は、睡眠を改善する効果がある者とない者が存在し、要因として冷却温度の快・不快が挙げられている。設定温度が異なる冷却枕をPCM(潜熱蓄熱材)で試作し、入眠が良好な枕の温度と環境温湿度の範囲を解明する。 2)PCMの量を変え、冷却持続時間の異なる冷却枕を試作し、快眠できる最適冷却持続時間を解明する。成果は、高温多湿環境、避難所等での不眠改善、エネルギー消費の低減に貢献する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では睡眠時の頭部冷却に着目し、夏期に入眠および睡眠が良好な枕の温度と湿度の範囲を検討することを目的とした。本研究は、学内研究倫理委員会による承認を受けた。心身ともに健康な20代の女生15名を対象とし、夏期(8~9月)と秋期(10月)に自宅で測定を実施した。夏期の測定では、設定した温度を維持する潜熱蓄熱材(Phase Change Material, PCM)を用いて、温度の異なる冷却枕を用いた。実験条件は、夏期は水とともに水枕に15℃、20℃、25℃の各PCMを入れた3条件、秋期は自分の枕とした。夏期のみ、測定期間中は28℃に設定した冷房を終夜使用してもらった。測定項目は、寝室内温湿度・照度、アクチグラフ、枕の温湿度(枕と頭部の間の温度と湿度)、衣服内気候、寝床内気候、皮膚温、心臓自律神経活動、睡眠日誌、主観的睡眠感、温冷感、湿潤感、快適感、就寝状況と生活状況の調査であった。夜間の寝室の平均温度は、秋期で夏期より有意に低かったが、夏期の3条件で有意差は見られなかった。寝室内湿度に条件による差は見られず、約60%RHであった。アクチグラフによる睡眠に、条件による差は見られなかったが、いずれの条件でも良好であった。枕の温湿度では、温度は自分の枕と25℃で15℃と20℃より有意に高く、15℃では20℃より有意に低かった。枕の湿度は、自分の枕で他の条件より有意に低かった。睡眠感に有意差は見られなかった。就寝前の枕の温冷感では自分の枕で他の条件より有意に暖かい側の申告であったが、冷却枕の3条件に有意差は見られなかった。枕の硬さは20℃で25℃、自分の枕より有意に硬かった。枕の温湿度の結果から、枕の温度は最低約23℃、湿度は最高約90%RHの範囲であれば睡眠に影響を及ぼさない可能性が示唆された。冷却枕の温冷感に差が見られない要因には毛髪の断熱性が関連していると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、夏期、秋期に測定を実施し、予定に近いデータ数を取得できた。データ解析も行い、当初の目的であった睡眠が良好な枕の温湿度の範囲を把握することができた。また、冷却枕の温冷感と毛髪の関連に関する新たな知見も得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は入眠および睡眠が良好な枕の温湿度の範囲を把握できたため、結果を元に冷却枕の温度を決定し、次年度は睡眠維持と目覚めが良好な冷却持続時間を検討する。冷却時間PCMの量を変え、冷却持続時間の異なる冷却枕を試作し、夏期にデータ取得を実施する。今年度得た知見から、毛髪や髪型に関する調査も行う。今年度のデータ解析もさらに進める予定である。
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