Project/Area Number |
22K02162
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08030:Family and consumer sciences, and culture and living-related
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
菰田 俊一 宮城大学, 食産業学群, 教授 (50404843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤澤 隆志 宮城大学, 食産業学群, 助教 (00882276)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 食物アレルギー / オリーブポリフェノール / 牡蠣アレルギー / 重合化 / 低アレルゲン化 / オリーブ |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、低分子化合物(架橋剤)を使ったアレルゲンタンパク質の低アレルゲン化技術の開発である。タンパク質の化学修飾によるアレルゲン性低減化については、いくつかの方法があるが、本研究では、比較的穏やかで、短時間の反応が期待できる天然由来の架橋剤による方法を検討する。天然架橋剤としては、既にいくつかのタンパク質に関して、化学修飾効果が認められているオリーブ由来のジアルデヒドポリフェノール化合物(オレウロペイン)を用いる。一方で、アレルゲンタンパク質としては、牡蠣由来のアレルゲンタンパク質を研究素材として採用することとした。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、牡蠣アレルゲンタンパク質を化学修飾することにより、その化学的な正常に変化を与え、アレルゲン性を低減化させることを目的としている。今回の取組では、オリーブに含まれるジアルデヒド化合物を使った化学修飾を想定している。このジアルデヒド化合物は、オリーブに含まれる前駆体を酵素反応により変換して導くもので、オリーブとその類縁植物に特有のものである。 2022年度は、オリーブから抽出した成分を、牡蠣由来のアレルゲンタンパク質と反応させ、ポリアクリルアミド電気泳動(SDS-PAGE)等の方法で重合化反応が進むことを確認した。また、ウェスタンブロット法、またはドットブロット法により、簡易的にアレルゲン性を評価した。2023年度は、2022年度の検討により作成した低アレルゲン化タンパク質をモデルマウスに投与し、動物レベルでアレルゲン性を評価した。モデルマウスは、未修飾の牡蠣アレルゲンタンパク質をアジュバントと共に接種して作出した。このアレルギー罹患モデルマウスに、未修飾のアレルゲンタンパク質または化学修飾アレルゲンタンパク質を腹腔内接種することにより、発症試験を行い、血中ヒスタミン濃度を評価することにより。発症の様子を把握した。この結果、化学修飾したアレルゲンタンパク質では血中スタミン濃度が上昇せず。タンパク質のアレルゲン性が抑制されていることを示すものであった。次年度以降は、再現性を確認するなど結果の信頼性を確認するなど、研究を進めたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、当初から予定していたとおり、動物レベルでのアレルゲン性試験を行い、良好な結果を得ている。研究のはじめの段階として、予備的な条件を用いて試験を行った。予備試験の中では、接種のタイミングや接種量等の条件を検討し、適切な条件設定を行った。牡蠣アレルゲンタンパク質については、接種するタンパク質量が、ある一定レベルを超えると、急にアナフィラキシーを発症し、その場で死亡することが確認された。このため、発症試験や感作の段階などでは、接種するサンプルの調製などで慎重に作業を行うことが必要であった。予備試験で、オリーブ由来成分を用いて化学修飾した牡蠣アレルゲンタンパク質をアレルギーマウスに接種したときには、血中ヒスタミン濃度が上昇せず、発症抑制を示すものであった。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は予備的な動物実験により、良好な結果を得ているが、統計的に優位な結果を得るには至っていない。2024年度は、引き続き試験を行なう。その際、マウスの頭数を増すなど、試験を繰り返し行い、信頼性のある結果を得る。一方で、オリーブ由来成分の解析も進める。現在オリーブ成分については、オリーブの葉からポリフェノール画分を抽出して使用しているものの、詳細な成分の確認はできていない状況である。次年度の取り組みの中で、具体的な成分の同定を行い、化学修飾がどのように行われているか、把握する。
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