通信制高校の多様性に関する研究:カリキュラムの横断的・縦断的比較に基づいて
Project/Area Number |
22K02236
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09010:Education-related
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
濱沖 敢太郎 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 講師 (80803725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 康弘 愛知学院大学, 教養部, 准教授 (50848629)
神崎 真実 立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション研究機構, 助教 (70816553)
土岐 玲奈 星槎大学, 大学院教育学研究科, 講師 (80883412)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 通信制高校 / カリキュラム |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、通信制高校のカリキュラムやその運用方法の特徴を明らかにすることである。具体的には、「教育課程表を用いた体系的なカリキュラムデータの構築と分析」及び「私立通信制におけるカリキュラム運用の実態検証」を実施する。この研究の特色は「通信制高校と同様、多様な生徒が学ぶ場づくりを進めてきた学校群との比較」そして「1990年代以降の拡充期に起きた通信制内部の変化」に着目する点であり、1990年代以降の高校教育に関するカリキュラム研究を批判的に継承し、その意義や可能性を再構築することにも寄与するものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、通信制高校のカリキュラムやその運用方法の特徴を明らかにすることである。具体的には1)教育課程表を用いた体系的なカリキュラムデータの構築と分析、および、2)私立通信制高校におけるカリキュラム運用の実態検証を実施する。その上で、A)通信制高校と同様に、不登校経験者の受け入れや多様な生徒が学ぶ場作りを進めてきた学校群との横断的な比較、それから、B)私立校の新設が進んだ1990年代から現在に至るまでの通信制高校内部の変容に着目した縦断的な比較、という先行研究に欠けていた2つの視点から課題に取り組む点に本研究の特色がある。2022年度は主に2つの課題に取り組んだ。 1)既収資料のデータ構築:私立通信制高校の教育課程表のうち開設時点のものについては、本研究課題の開始以前に一部を入手していた。このため、すでに入手していた課程表を体系的なカリキュラムデータとして構築する方法を検討しつつ、開設時期ごとのデータの傾向について探索的な分析を行った。その結果、開設時期によって開講科目の教科間バランスが変わっていることが明らかになった。 2)私立通信制高校におけるカリキュラム運用に関する先行調査:1)で明らかになった科目や教科間のバランスの問題について、一部の学校にヒアリング調査を実施した。ここでは面接回数など法令に係る事項がカリキュラム作成に影響している可能性が明らかになった。 3)教育課程に関する既存調査の整理:本研究の申請時点では想定していなかった既存調査の二次利用の可能性が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた、「私立通信制高校の開校時点の教育課程表のデータ構築」を実施できたことが研究遂行上、最も重要であった。ここには、分析作業まで見据えたデータ構築の作業が必要であるという課題が明確になったことも含まれる。また、試行的な調査として実施した学校関係者へのヒアリングを通じて、カリキュラム作成が学校関係者には生徒支援の一部として位置づけられている点が明らかになったことも、当初の研究の見通しに合致するものであった。 当初の研究計画になかった成果については、私立全日制高校の教育課程調査に関するデータを得られた点が挙げられる。これは研究調査を進める中で特定の団体が過去に大規模な教育課程表の収集作業を実施していたことが明らかになり、当該団体へデータの提供を依頼したことによるものである。提供されたデータの分析方針については今後の検討が必要であるものの、私立通信制高校との比較対象を広げられたことは研究計画上、重要な成果だった。 一方、当初計画で予定しながら実施しなかった作業が、公立高校の教育課程表の収集である。この点は「推進方策」に理由を記載する。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は当初計画の通り、私立通信制高校への教育課程調査を実施する。これによって縦断的なカリキュラムデータの構築に必要な資料が揃うことになる。また、継続してカリキュラムデータ構築および分析の方針について研究グループでの協議を行いつつ、2022年度に構築した部分的なデータをもとに学会発表等を行い、研究方針等に関する他研究者からのアドバイスをもらう機会を定期的につくることで進捗を図る。なお、教育課程調査は翌年度以降の学校訪問調査の依頼も兼ねている。 一方で、公立高校の教育課程表の収集調査については、主に3つの理由から2023年度は見送ることとする。第一に、予算上の制約から、申請時点に想定していた規模の学校数から調査票を収集することが難しくなっていること、である。第二に、カリキュラムデータの構築に関して、当初の見込みよりもはるかに大きなコストがかかっていること、である。第三に、公立高校の教育課程については文部科学省が大規模な調査を実施しており、データ公開の依頼を検討していること、である。第三の理由については、データの公開が可能になった場合、調査や入力のコストが本研究の経費として不要になるため、研究の推進に大きな意義をもつものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)