Project/Area Number |
22K02285
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09010:Education-related
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Research Institution | Tokai Gakuen University (2023) Nagoya University (2022) |
Principal Investigator |
埜嵜 志保 東海学園大学, 教育学部, 講師 (10806475)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 授業分析 / 逐語記録 / 話し合い / 価値対立 / 教室談話 / 話し合い活動 / 授業研究 |
Outline of Research at the Start |
課題1:授業での話し合い活動を公共空間ととらえるための基礎理論を整理する。政治哲学等の分野の議論を参考に、公共性の概念を整理し、授業分析に援用するための理論的枠組みを構築する。また、問題解決学習の理論的整理を行う。 課題2:名古屋大学教育方法学研究室が取り組んできた授業分析研究の成果をふまえ、子どもの意思や切実性、葛藤、対立が現れる話し合い活動の様相を可視化するための授業分析手法を開発する。 課題3:開発した手法を適用して授業分析を行い、授業の話し合い活動における公共性の生成過程と要因を明らかにし、その意義を考察する。得られた知見をもとに、授業の公共性の理論的枠組みと分析手法を改良する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、子どもが授業の内容について話し合いを行う教室を一つの社会ととらえ、授業での話し合い活動において生成される公共性を解明することである。特に、戦後の初期社会科の理念を継承する問題解決学習に着目し、3つの課題に取り組む。(1)授業での話し合い活動を公共空間としてとらえるための基礎理論を整理する。(2)子どもの意思や切実性、葛藤、対立が現れる話し合い活動の様相を可視化するための授業分析手法を確立する。(3)授業分析を行い、授業での話し合い活動における公共性の生成の過程と要因を解明する。 本年度は、主に(1)及び(2)に関する理論研究のための情報の収集と整理に取り組んだ。(1)については、教室で生成・成立する公共性についての理論的枠組みを構築するために、コミュニティにおける価値判断や意思決定、合意形成及び教室における権力構造等に関する文献を収集し、理論的基盤の検討を進めた。(2)については、上田薫による動的相対主義の理論と、それにもとづく授業分析の研究手法(R.R.方式の分析手法、中間項による子どもの思考様式の記述、累積相対度数を用いた授業過程の可視化手法等)に関する文献を収集し、授業記録を用いる研究手法の特質と課題について検討した。これらにより、問題解決学習での切実性のある話し合いにおいて展開される、子ども間での価値の調整・判断を含む教室談話を、公共性のあるコミュニケーションの過程としてとらえる視座が得られた。また、子どもの内的過程と、それらの関わりによって成立する授業の全体的過程を描き出す分析手法についての知見が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では3つの課題を設定しており、2年目にあたる本年度は、課題(1)を継続しつつ、課題(2)に中心に取り組む計画であった。問題解決学習における子どもの思考様式や子ども間の価値対立といった、子どもの内的変化を含む授業の全体的過程の描出を試みる授業分析手法について、文献調査を中心に研究を進めた。研究資料の収集と整理はおおむね順調に進んでいるものの、当初計画していた具体的な分析手法の開発・提案には至っていないため、「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
課題(2)について、授業分析研究の蓄積の整理を進め、分析手法の開発に取り組む。あわせて、個別具体性の高い授業から一般性のある授業理論を構築するための、相対主義的なパラダイムを検討する。課題(3)について、引き続き授業データの収集を計画するとともに、これまでに収集した授業データを活用し、分析手法の開発と適用を試みる。
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