Project/Area Number |
22K02293
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09010:Education-related
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Research Institution | Meio University |
Principal Investigator |
嘉納 英明 名桜大学, 国際学部, 教授 (30449962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山城 千秋 熊本大学, 大学院教育学研究科, 教授 (10346744)
入江 優子 東京学芸大学, その他部局等, 准教授 (40865599)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 外国籍の子ども / 日本語教室 / 教育福祉 / こどもの居場所 / 地域学校協働 / コミュニティ・スクール / 学校と地域の協働 / 公民館 / 日本語学校 / ネパール人 / 居場所 / 外国籍の児童生徒 / 多文化化 / 学校と地域 / 協働的実践 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、独自の歴史と地域文化をかたちづくってきた沖縄に注目し、学校と地域の新たな協働的な営みを創出している事例を取り上げる。学校と地域が文化の継承を含む地域課題に対して、どのような連携と協働的な働きかけを行っているのか、その地域実践の成果と課題を検証することで、学校を核とした地域づくりの展望が拓かれるものと考える。
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Outline of Annual Research Achievements |
子どもの個性・多様性を尊重した教育を実践する沖縄の小学校等を調査した。①公立小学校の沖縄市立高原小学校における日本語教室、②民間によるオルタナティブ教育のアメラジアンスクール・イン・オキナワと珊瑚舎スコーレ夜間中学、③多文化共生社会をつくる那覇市立若狭公民館と繁多川公民館である。いずれの実践も外国につながる人々の生活や学びを保障しようとする取り組みであり、沖縄社会の多文化化と受容・定着の深化を示した。また、沖縄の地域社会および学校における多文化化の状況から、沖縄島中部の米軍基地を抱える北谷町と読谷村、島嶼部である石垣市の2地区の小学校を調査した。調査を通して明らかになったことは、小学校から中学校・高等学校への接続問題であり、中学校や高等学校には日本語教室が設置されていないこと、外国籍等の子どもに対する入学時・修学時の特別枠や学習支援が実施されてないことである。石垣では、外国籍等の子どもの増加がみられるが、日本語教室の設置はなく、地域における支援についても課題になっている。 上記の調査研究の他に、伝統的な集落と転入者が混在する浦添市の校区において、転入者を中心に組織した自治会と学校、社会福祉協議会との連携による「こどもの居場所」の取組を中心に調査を進めた。当該校区は貧困問題が堆積する中、新設自治会が地域を超えて居場所機能を担いつつ、これを支える地域福祉と学校福祉の仕組みが機能し、さらに地域学校協働活動やコミュニティ・スクールの仕組みによって孤立しがちな子どもと校区内の各自治会文化との繋がりも生みだしており、重要な示唆を与えている。この他、名護市の継続調査、南風原町の調査も行い、多様化・多文化化する沖縄社会の中で個別の支援アプローチと文化的包摂をつなぐ仕組みの検討を深めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
台湾の半導体企業の進出で急速な多文化化が進む熊本との比較において、沖縄の調査結果は多くの示唆を与えている。多文化共生の課題は、日本の地方部において顕著であり、九州も視野に入れながら、先駆的な沖縄の実践を比較・分析する必要がある。 沖縄の「多文化化」を伝統的な地域と流入人口の交わりも含めて捉え、その中で歴史的に共通課題であった貧困問題やそれへのアプローチ等が多様化する沖縄の地域社会の中でどう立ち現れているかに着目しながら調査を進めてきた。調査の中で伝統的な自治会の機能と学校・学校区、市町村域で進める公的な教育福祉との機能構造的な違いやそれを取り結ぶコーディネート機能などが見えてきており、この検討を深めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
地方・離島部においても外国人の増加が見込まれることから、今後は学習支援、生活支援だけでなく、外国人のための防災教育に関する調査が必要である。また、支援者の育成についても検討する。また、沖縄の調査で明らかになったことは、外国籍等の子どもを公立学校で受け入れる際の手続きが十分整備されていないことであり、課題の析出と今後の対応策を検討することが求められている。また、伝統的な地域と流入人口の交わり、貧困問題などを有する地域に着目し、名護市、浦添市、南風原町などの地域の居場所や学校と地域の協働の仕組みを調査対象として、教育福祉の構造や特性を異にする紐帯をつなぐコーディネート機能を検討していく。これらから、沖縄の学校と地域の教育福祉の構造の類型化・理論化を試み、特に専門性に基づく紐帯と自治的な紐帯の機能やコミュニティ・スクールの持つ機能を明らかにし、成果の公表に向けた準備を進めていく。
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