Project/Area Number |
22K02307
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09010:Education-related
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
田中 智輝 山口大学, 教育学部, 講師 (60780046)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村松 灯 帝京大学, 理工学部, 講師 (70803279)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 知的解放の教育思想史 / 解放的教育学 / 知的解放の教育学 / 批判的教育学 / 政治的主体化 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、既存の権力関係からの解放や政治的主体化を企図した教育の理論と実践に着目し、その系譜を思想史的に把握することを通じて、解放の教育学が有する可能性と課題を明らかにする。検討にあたっては、批判的教育学の系譜や、ポストコロニアルの教育学の系譜をはじめとして、解放や政治的主体化を企図した教育の理論と実践の歴史的状況および今日的な動向を整理する。そのうえで、それぞれの理論や実践がどのような時代的・社会的な状況や思想的系譜のなかで生まれてきたのかを批判的に検討し、その意義と限界を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、既存の権力関係からの解放や政治的主体化を企図した教育の理論と実践に着目し、その系譜を思想史的に把握することを通じて、解放の教育学が有する可能性と課題を明らかにすることである。2年目にあたる本年度では、支配者/被支配者、開発者/被開発者、教育者/被教育者といった二項対立図式を組みかえ、学ぶ者の主体性と多様性を前提とした教育のあり方を模索したポストコロニアル的な文脈における教育論・教育実践についての検討を進めた。具体的には、パウロ・フレイレとイヴァン・イリイチをはじめとする解放の教育学の理論的検討にくわえて、それらの思想を手がかりとした今日的な実践の動向についても調査を行った。アートを通じた学校づくりに取り組むインドネシアのアートコレクティブの研究協力を得て、現地視察およびヒアリングを行うことができたことも、重要な進展であった。こうした研究・調査によって得られた知見については、次年度中に学会等での発表や論文として公開することとしたい。なお、本年度においては、昨年度の研究成果を学会において発表したほか、論文として公開する準備を進めることもできた。その過程において、本研究の試みが、これまで取り組まれてきた教育哲学、教育思想史研究に対して、どのような新規性を有するものであるのかについても、考察を深めることができた。本研究の意義に関わる重要な論点についても、今後、論文等を通じて問題提起を行いたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度においては、ポストコロニアル的な文脈における教育論・教育実践についての検討を進めた、解放の教育学の系譜に位置づくものと思われる現代の実践的試みについての調査を進め、重要な知見を得るなど、今後の研究の核となるいくつかの成果を上げることができた。また、昨年度の研究成果について研究発表を行うなど、予定していた課題に着実に取り組むことができた。一方で、当初予定していた資料調査の一部を次年度中に行うこととし、現在準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究について、当初計画していたとおり、これまでの研究成果を踏まえつつ「解放の教育学」の批判とその継承をめぐる論点整理に着手することとしたい。加えて、2年目に得られた研究の成果についても 論文等による公開を進めていきたい。また、研究の進展により新たに必要となった調査や情報収集についても、一部計画を修正して進めていく予定である。
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