Project/Area Number |
22K02347
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09020:Sociology of education-related
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
腰越 滋 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (20269343)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 自尊感情 / 読書活動経験 / 読書層と非読書層 / デジタル読書 / 学校図書館 / 青少年の社会化 / 子どもの読書活動の推進等に関する調査研究 / モデリング / 社会化 / 青少年 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、3つの課題解明から成る。第1研究課題は、大学生の現状の読書状況と中高時代の読書体験が社会化に及ぼす影響の把捉である。活字情報採取媒体がアナログからデジタルに移行する「ネオ読書」の兆候を実査で把捉する。第2研究課題は、採取済みの小中高生読書調査データの再モデリングより、紙からデジタルに活字情報採取が移行した際の近未来の読書が、子どもの社会化にどう影響を及ぼすかを考察する。第3研究課題は、新しい教養知形成を支援する先進事例を訪問調査することだ。紙書籍以外の情報採取が青少年の教養知に繋がるとすれば、どんな情報提供が工夫されているのかを把握すべく、読書先進地域に出向いて聞き取り調査を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度の主たる活動としては、まず「日本教育社会学会 第75回大会(弘前大学)において、学会報告を行った(2023年9月9日【Ⅰ-1】「子ども・青少年」)。ここでは、許諾を得た上で、国立青少年教育研究機構(NIYE)青少年教育研究センターの委託調査(以下「NIYE2019読書調査」と略記)を再分析した。得られた知見のうち、①「自尊感情に繋がる自己理解力は、壮年層に比して若年層の方が低い傾向にある」と、②「読書層の自己理解力は、非読書層のそれよりも高く、若年層ほど両者の乖離が認められる」については、仮説通りの結果となった。だが、性差による自尊感情に有意差は確認されず、非読書層や若年層ほど自尊感情が低くなる傾向も、明確には分からなかった。 但し全体としては、過去の読書量が多い方が自尊感情を含む自己理解力が高く維持されるということが、改めて確認された。これらの知見を踏まえて論文化し、現在投稿・審査中である。 続いて2023年12月に大学生を対象としたWeb調査を、専門業者委託の形で実施した。この実査により、約2,000件のデータ採取に成功し、現在集計・分析中である。分析経過に関しては、「日本子ども社会学会 第30回大会(日本女子大学)」において報告予定であり、報告後は論文化する予定である。 この大学生対象の "「読書活動経験」に関する実態調査" のデータ採取成功は、令和5年度の最大の実績であり、この調査の分析結果を、最終年度を含む本科研費研究の核として纏め、成果を蓄積していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
再分析データを援用しての投稿論文の審査が遅れ、加えて修正再査読が二度も入り、これが難航している、というのが主たる理由である。 上記の問題については、早々に決着させ、令和5年度に実施したWeb調査データの詳細な分析に入っていきたい。というのは、同調査の分析と論文化が、本科研費研究の主たるミッションであるからである。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度末の岡山への訪問調査、令和5年度の学会報告とWebによる量的調査、令和6年度の学会報告などを全て纏める方向で報告書を作成し、積み残された課題を次の科学研究費補助金研究に繋げていきたい。 なお、令和6年度においては、必要に応じて費目変更を願い出て、外国(シンガポールを想定)への訪問調査を考えてみたい。というのは、読書が認知能力はもとより非認知能力を高めることは自明であるため、外国では読書意欲涵養に向けて、学齢期の児童・生徒に対して如何なる工夫や努力がなされているかを把握したいためである。
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