難関大進学者/非進学者に焦点をあてたジェンダーによる進路分化のメカニズム
Project/Area Number |
22K02358
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09020:Sociology of education-related
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Research Institution | Takarazuka University |
Principal Investigator |
伊佐 夏実 宝塚大学, 看護学部, 准教授 (80601038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀口 まか 龍谷大学, 文学部, 准教授 (10554082)
中村 瑛仁 京都教育大学, 教育学部, 講師 (30756028)
知念 渉 神田外語大学, グローバル・リベラルアーツ学部, 准教授 (00741167)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | ジェンダーと進路選択 / 難関大進学 / 労働市場 / ジェンダー / 進路分化 / 階層間格差 / 都鄙格差 |
Outline of Research at the Start |
日本の大学進学率の男女差は縮小傾向にある。しかしながら,OECDに加盟する国では高等教育(大学・大学院)進学率において女子が男子を上回るというトレンドが20年ほど前から生じていることを考えると、他の先進諸国に比べた教育機会の男女差はいまだ大きいと言える。なかでも,いわゆる難関と言われる大学の女子割合には未だ顕著な男女差があり、世界有数の名門校の男女比には偏りがないことを考えると,日本はかなり特殊な状況下にある。 本研究では、大学生を対象とした質問紙調査とインタビュー調査をとおして、今なお残る進学機会のジェンダー格差の実態を明らかにし、女子の進学を阻む社会的障壁の具体像に迫る。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,高等教育進学段階での男女差が色濃く残る日本の状況の中でも,とりわけ難関大に進学する女子割合の低さに着目し,教育のジェンダーギャップが生成される現代的なメカニズムを明らかにする。初年度である2022年度は,ジェンダーと進路選択に関する国内外の文献検討および,今後の調査計画について研究メンバー間での検討を行った。当初計画では,「A.大学生を対象とした質問紙調査」を通して,進路形成に影響を与える要因が男女や階層,地域によってどのように異なるのかをその交差性も踏まえて検討し,「B.大学生を対象とした聞き取り調査」を通じてその具体像を描き出すというように,2つの方法でも調査を予定していた。しかし,研究グループ内で協議を行った結果,以下の理由から,特定地域の高校卒業者を調査対象者にしたほうがよいのではないかという結論に至った。 ・同じ高校の卒業者を対象としたほうが,高校時の成績条件を統制した上での進路選択の多様性が描けるのではないか。 ・同じ高校の卒業者を対象にすることで,様々な学部・学科や大学に進学した層や,非大学進学者,地域移動をした層としていない層など,多様な進路選択の諸相を射程に入れることが可能になるのではないか。 ・調査対象地域を限定することで,各地域の産業構造や人口等の特質を加味した分析ができるのではないか。 研究グループ内での議論を通して,これまでの進路選択とジェンダーの視点では十分検討されてこなかった,出身地域の産業構造やその歴史的背景を視野に入れた分析の重要性が浮かびあがった。メリトクラティックな選択とは異なる「合理的選択」の諸相と背景,労働市場との接続の問題としての進路選択,都市と地方という二元論ではなく,地域のリアリティを踏まえた進路選択の把握といった論点をもとに,研究を進めていくことで方針を共有し,調査地の選定等の準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請書作成時の計画では,初年度に大学生を対象としたアンケート調査の実施を予定していた。しかし,研究グループ内での協議の結果,調査対象者を変更することになり,調査プランについて再度練り直すことになった。 そのため,初年度は調査の方向性や具体的中身を検討し,実査は2023年度に行うことになった。当初計画とは異なる調査方法や調査対象の選定となったが,実査に向けた準備を整えている段階である。特に,対象地域については地理的条件や産業構造を踏まえて3地域を選定し,各地域の高校への調査協力依頼を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度に,国内3地域の高校卒業者を対象にしたインタビュー調査を実施すべく準備を進めている。それぞれの地域の進学高校にアプローチし,卒業生を紹介してもらい,おおよそ50名を対象に聞き取り調査を実施する。 秋ごろの聞き取り調査実施に向けて,現在の進路に至るまでの学校内要因,家庭内要因等を把握するための調査項目の精査を進めていく。また,対象地域の政治・経済・産業等の歴史的背景を把握するための,歴史的資料の収集・検討についても同時に進めていく。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)
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[Book] これからの教育社会学2023
Author(s)
相澤 真一、伊佐 夏実、内田 良、徳永 智子
Total Pages
278
Publisher
有斐閣
ISBN
9784641200036
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