遊んで学ぶ食育教材による、幼児の行動変容・保護者の育児ストレス軽減効果の検証
Project/Area Number |
22K02392
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09030:Childhood and nursery/pre-school education-related
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Research Institution | Tokai Gakuen University |
Principal Investigator |
中出 美代 東海学園大学, 健康栄養学部, 教授 (80352855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 日登美 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 講師 (10770620)
黒谷 万美子 愛知学泉大学, 家政学部, 教授 (30350945)
井成 真由子 (池田真由子) 東海学園大学, 健康栄養学部, 助教 (40899960)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 幼児 / 時間生物学 / 行動変容 / 生活リズム / 育児ストレス / 食育教材 / 子ども学 |
Outline of Research at the Start |
育児の困りごとの一つに子どもの食行動があるが、この困った食行動は、子どもの夜型化と保護者の育児ストレス増強の要因となる。本研究では、質問紙により保護者の育児ストレス増強・子どもの夜型化に関連する子どもの個々の食行動を明らかにし、問題となる食習慣等を自発的に望ましい方向に変容させる、ナッジ理論を活用した教材およびプログラムを作成する。その教材を用いた介入調査により、幼児の行動変容と育児ストレス軽減・夜型化防止効果を検証する。ナッジ理論を活用した教材プログラムが、幼児の生活習慣改善のための行動変容に有効であることを実証し、健康増進と良好な親子関係の維持に貢献することが本研究の最終的な目標である。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、これまでに収集した調査データを分析して以下のような結果を得た。 ①幼児の母親へ行った調査では、親子とも朝食時刻の不規則と(夜型化で拡大する)社会的時差の拡大が関連しており、子どもの生活の乱れにストレスや不安を感じる母親では社会的時差が大きくなっていた。特に常勤の母親では、子どもの夜型化や、育児ストレスによる不適切な育児態度のリスクなど、慢性的な睡眠不足の影響が懸念された。 ②保育園児とその親を対象とした調査では、睡眠負債を蓄積させるような親の不健康な睡眠習慣が、子どもの就寝時刻の遅れなどの睡眠習慣を乱れさせるだけでなく、夕食に重点を置いた食習慣や甘い菓子の摂取など不適切な食習慣にもつながる可能性のあることが示唆された。一方で、家庭で睡眠に関する教育を行い、子ども自身が時間を決めて就寝することは睡眠時間の確保につながる可能性も示唆された。また、自分で段取り力、自己管理能力を育てる工夫をしている家庭の親子は朝型であった。以上の結果から、子ども自身が食習慣や生活リズム改善を進めるための支援は、親の育児ストレスの軽減につながることが確認できた。 さらに、前年度実施した食育教材(すごろく・絵本・取組シート)による介入調査で収集した協力者(幼児)と保育関係者のデータから、教材による取組によって、自分で決める、自分でできることで自信が出たなどの意見が得られ、子ども自身が決めて実行することの有効性が確認された。一方で、取組内容が多い、子どもが飽きるのでもっと短時間でできるものがよいなど、教材に対する改善の余地も明らかとなった。これらの結果を踏まえて、子ども自身が主体となる工夫を盛り込んだ絵本の改訂版を作成し、保育関係者にその教材評価のための調査を実施した。さらに、すごろく(食育編)は、地域の食材や料理などを掲載した47都道府県のバージョンを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和5年度は、これまでに収集した調査データから、育児ストレスと子どもの食行動や生活習慣などの関連について分析を行い、結果の一部を学会で発表した。前年度に高知で行った試作版教材を用いた介入調査の分析結果をもとに改良版を開発したが、教材開発が大幅に遅れてしまった。これは、すごろく、絵本などすべての教材が研究代表者の所属大学生による制作であり、分析結果を教材に反映させる作業と、最終年度に計画したWEB公開をする他地域でも活用できるような汎用版の教材制作において、イラスト担当の学生が作画する作業に多大な時間を要したためである。 そのため、高知・愛知の2地域で行う予定の介入調査(取組)が実施できず、高知の保育関係者を対象に、改良した教材の評価調査のみを実施した。以上のことから、現在までの進捗状況としてはやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に開発した教材および質問票を用いた介入調査を行い、その効果を検証する。これにより子どもの行動変容が起こりやすい事柄、保護者の食意識の変化などを検討するとともに、育児ストレス軽減に寄与する子どもの食行動を明らかにする。また、昨年度に得られたデータの分析を引き続き実施して、成果発表や論文執筆を行う。 さらに、調査結果より得られた改善点を踏まえて、食育教材を用いた幼児の食生活変容プログラムの改良を行うとともに、他地域でも活用できるよう汎用版をweb公開する。最終的に、協力施設向けに本科研費プロジェクト全体の報告書を作成し配布する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(19 results)