Project/Area Number |
22K02473
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09030:Childhood and nursery/pre-school education-related
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Research Institution | Okazaki Women's University |
Principal Investigator |
春日 規克 岡崎女子大学, 子ども教育学部, 教授 (60152659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 晋 岡崎女子短期大学, 幼児教育学科, 教授 (00566549)
平野 朋枝 名古屋短期大学, その他部局等, 教授 (60369527)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 調整力 / 幼児運動能 / 運動動作の発達 / 幼児運動能力 / 運動動作の発展 / 幼児期 / 調整力の発達 / 運動能力 |
Outline of Research at the Start |
本申請は,幼児期の体力要素の中の調整力に焦点をおき研究を行う.年中・年長クラスの幼稚園児を対象として,2年間の継続した運動能力・調整力の測定を行い,幼児期の調整力が体力発達に関与するかを調べる.また,投球,跳躍,飛び降り着地時の緩衝動作といった技能が関わる基本の運動動作を高速カメラで撮影し,その画像分析から幼児期の体力・調整力の発達との関係を調べる.さらに,幼少期から体力・調整力が将来の体力にいかなる影響を持つかを,幼児期に近い小学1年から,その同一個人の高校3年まで11年間の体力・運動能力測定結果として調べる.以上より,幼児期に伸ばすべき体力要素として含まれている調整力の意義を検討する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,幼児期の体力要素の中の調整力に焦点をおき研究を行う。四半世紀前から言われている子供の体力は、現在も体力低迷状態として続き、さらにコロナの影響でその傾向が強まったことが報告されている。子どもの体力・運動能力の発達には、幼児期の主体的な遊びとしての身体活動は重要であり,動きの獲得,運動機能を支える脳の発達や将来に渡る体力健康の維持にも影響すると考えられている.しかし,どのような動きの獲得が幼児期に求められ,どの程度の体力の発達が望まれ,将来に渡る影響はいかなる形で現れてくるかといった証拠は提出されていない。また、子どもの体力低下の問題として、最近では筋力や持久力など基礎的体力の低下だけでなく身体調整力の低下にも現れている. そこで、1)幼稚園年中(4-5歳)児;年中(5-6歳)児の同園児70名を対象とし運動能力を継続的に測定することより、幼稚園児期の運動能力の発達を横断的かつ縦断的に観察する。特に、幼児期に伸ばすべき体力要素として含まれている調整力について検討している. また、2)基本動作の中の調整力の発達に関する測定として、立ち幅跳びと台上からの飛び降りを高速ビデオカメラで撮影し、両足でジャンプができる→より遠くにジャンプができる→安定した着地ができるといった、幼児期の運動動作の上達について、各関節角度変化からの身体各部位の協応動作と緩衝動作の発達を調べる. さらに、3) 幼児期に最も近い小1から高3までの体力測定結果の縦断的分析を行う.これは、小学校、中学校、高校と受け継がれ、高校に残る卒業生個人の過去11年間の体力・運動能力テスト結果の推移を調査し、学童初期の運動能力と調整能力が青年期以降 の体力運動能力に及ぼす影響を検討する.以上の3段階の研究より、体力・調整力を高めるべき幼児にとって必要な運動や運動指導の至適性を科学的根拠を示すことのできる研究を目指す.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
幼稚園年中児(4歳児)と年長児(5歳児)の運動能力テストを基礎的能力(25m走・立ち幅跳び・ソフトボール投げ)と調整力(15mジグザグ走・1本橋渡り・50%ジャンプ)に分け、両者の関係について調べた。走運動に左右切り返し動作が含まれるジグザグ走では、両者の能力に高い相関が見られ、立ち幅跳びとその跳躍距離の50%地点に着地するよう指示した空間認知能力には、有意な相関関係は認めらなかった。また棒渡りである3m長、4cm幅の棒を踏み外さず何cm進むことのできるかといった平衡能に関しては、走能力とのみ相関関係がみられた。運動動作の上達変化について、立ち幅跳び動作,飛び降り着地時の緩衝動作を,1年目(2022年)は年小児を2年目(2023年)は年中児を測定し、3年目の今年は年長児を測定対象としている.各動作を側面1方向から毎秒120フレームの高速カメラ撮影を行い、各関節角度変化による協応性や緩衝能などの分析を行なっている。1-2年目(2022年)の年小・中児の動作分析から、立ち幅跳び動作においては腕の前振りと膝関節の伸展の同期性が増す園児が増えることと膝関節伸展速度が速くなることが運動上達の発達に関係していた。飛び降り着地動作に関しては、年少児では極端な膝関節の屈曲による着地衝撃の緩衝動作から、年中・長児には上体の屈曲(前傾)による緩衝動作が見られるようになった。小中高校で測定された個人ごとの体力・運動能力テスト結果(400名)を分析中である。小学校低学年児の走能力の優劣により上・中・下群3群に分け推移を調べた結果では、小学校高学年・中学・高校と発育にともない3群間の差は縮まり上位群と中位群の差は中学1年から消滅した。同時に行なっている生活調査から、運動クラブ加入経験と、学童初期からの運動への関心度が高いことが、運動能力の発達に強く関与していた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究最終年度の本年は、一昨年に幼稚園年中(4-5歳)児を測定した同園児を対象に、昨年に年長(5-6歳)児としての運動能力、調整力を測定したが昨年と同条件にて年長時を対象に測定する。コロナ禍で運動能力低下が懸念される昨年のデータに関して検討を行う。また、運動能力と調整力との関係について、特に、視覚・平衡感覚・皮膚感覚や脚の深部感覚の情報処理と適切な筋運動発現能力が求められる棒渡り、1/2ジャンプに関しては再度詳細な基礎的体力・運動能力との関係の検討 を行う。立ち幅跳びの協応動作性、飛び降り着地時の緩衝動作の上達変化を調べる研究に関しては、一昨年度年少児、昨年度の年長児、今年年長となる同園児の各動作を、同手法により高速カメラ撮影を行う.画像の解析法の更なる開発としては、カラーから白黒処理やトリミング、被写体の限定のためのモザイク処理は可能となったが、安全性を考慮した補助者が画像に入り込みトラッキングの干渉となることや、やはり安全性確保のための柔らかい着地マットにより足関節の分析ができないデータが多く、分析は精度が確保できたデータのみとなっていることを避けるため、今年度の年少・年長児の撮影も実施し動作発達の傾向も検討する。立ち幅跳びは、下肢と上肢の協応動作以外にも、踏み切り前の予備動作、踏み切り時の各関節の角速度変化、飛び降り着地動作では、緩衝動作としての腰・膝関節屈曲動作以外に足底部が床面に接してから動作停止までの腰・膝関節の角度変化、最大屈曲角度から伸展への切り返し時間、上体の協応動作の発達変化を検討する.小学1年からその同一個人の高校3 年まで11年間の体力・運動能力測定結果は、走運動以外に調整力に関与する「反復横跳び」と「ボール投げ」に着目し,走能力と同様に学童初期の調整能力を基準として優劣により上・中・下群3群に分け体力発達と合わせて発育変化を分析する。
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