社会的行動障害の回復を目指した社会脳の発達メカニズムの基礎的研究
Project/Area Number |
22K02475
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09030:Childhood and nursery/pre-school education-related
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
村上 伸治 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (70304350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 優 川崎医科大学, 医学部, 講師 (40551049)
石原 武士 川崎医科大学, 医学部, 教授 (60335594)
上野 浩司 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (60725068)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | マウス / 社会性 / 行動実験 / ストレス / 発達 / 隔離 / 発達障害 |
Outline of Research at the Start |
自閉症やアスペルガー症候群などの広汎性発達障害の症状の一つに社会性の障害がある。この社会性を健全に育むには成長過程(乳児期から青年期)の全期間で他者と触れ合うことが必要と考えられている。しかしながら,視覚機能,運動機能等の発達は成長過程のうち一定期間の正常な入力が必要である。本研究では,これまでの研究成果を応用させ,成長過程における社会性の発達時期を明確にする。さらには,幼少期の社会性が障害された後,健全な環境飼育によって社会性が回復するのかを調べ,社会性の臨界期を明らかにする。その成果により,広汎性発達障害の理解を深めると共に,新たな予防方法・治療方法の開発への臨床的応用を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
幼少期を通じて社会的交流に参加することは、日常生活に不可欠な社会的認知と社会的スキルの専門知識の発達につながる。思春期の異常な社会的経験が脳の機能と構造に長期にわたる影響を及ぼすことが示されており,社会的行動の臨界期が存在する可能性がある。本研究では発達期において社会的隔離を受けた時期とその後の再社会化を受けた期間によって成熟後のマウスの社会性への影響を調べた。この実験によって社会的行動の臨界期に関連する発達時期を明確にしようと試みた。生後3週目以降の発達期に社会的隔離を2週間または1週間実施した。その後,マウスの生後9週目までは集団飼育を実施した(再社会化)。生後9週目以降にマウスの社会的行動を調べた。生後3週目だけの社会的隔離はマウスの社会的新規性の低下がみられなかった。生後4週目,5週目の社会的隔離はその後の再社会化でも回復できない社会的新規性の低下を示した。本研究結果はマウスにおける社会性の臨界期が生後3週前後に存在する可能性があることを示唆している。本研究結果は認知行動療法などの早期の心理的介入の重要性を示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では生後発達期のマウスに隔離ストレスを負荷させる必要があった。隔離ストレスを負荷させるためには、飼育ケージ内に1匹で飼育する必要がある。そのため,2023年度は隔離ストレスを負荷させるマウスのケージの置き場所を確保した。置き場所である飼育スペースを確保するために、他の実験の都合などを調整した。その結果,2023年度は予定通り実験を遂行出来た。2024年度には得られた実験結果を解析し,学会発表や論文発表を進められる状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度までの研究成果を踏まえて、今後の研究推進の方策について報告する。 ①社会性の発達期とその後の再社会的行動の検討:2023年度までにマウスの生後の発達期の比較的早い時期の隔離ストレスはその後の再社会化でそのストレスによる行動異常が回復することが判明した。今後は,再社会化に要する期間が行動異常の回復に関与しているのか,発達期の比較的早い時期のストレスによって脳に回復機能があるのかを検討する。 ②隔離飼育ストレスが血清中のストレスホルモンに与える影響の解析:上記の行動実験終了後,マウスから採血を行う。採血したマウス血液より血清を採取後,血清中のストレスホルモンの変化ををELISA法により測定する。 ③学会発表と論文発表:全てのデータを研究者間でまとめ,学会発表と論文作成を行う。追加実験等を行い必要なデータを揃える。論文は海外英文誌に投稿する。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)