Project/Area Number |
22K02514
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石崎 和宏 筑波大学, 芸術系, 教授 (80250869)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2026: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 美術教育 / 美術鑑賞 / メタ認知 / アプリケーション / デジタルツール / 鑑賞スキル / 学習方略 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、美術鑑賞学習におけるメタ認知支援のためのアプリケーションを開発し、その効果と課題を検証するものである。すでに開発した非電子媒体での美術鑑賞のメタ認知支援ツールをタブレットで使用できるアプリに発展させる。特に鑑賞者の発話を自動テキスト化し、そのディクテーション機能を活用して鑑賞行為(連想、観察、感想、分析、解釈、判断)のモニタリングとコントロールを支援するシステムを構築する。その検証では、鑑賞者の発話プロトコルと映像を分析し、成人を対象としたパイロット・スタディで基礎的な事例分析を進め、対象を拡充していく。研究成果の外部レビューと公開は、フォーラムの開催と国内外の学会発表により行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、美術鑑賞プロセスでの思考を鑑賞スキルの視点からメタ認知支援する学習方略を検討し、その知見をもとにデジタルツールとして活用できるアプリケーションを開発し、その効果と課題を実証的に考察するものである。具体的には、すでに開発したハンズオン型の美術鑑賞スキル支援ツールをタブレット用でのデジタルツールに拡充させるためのアプリケーション開発を進めている。特に美術鑑賞での学習者の発話内容をディクテーション機能によって自動テキスト化し、そのデータを活用して鑑賞行為のモニタリングとコントロールを支援するシステムの構築を目指している。 令和5年度は研究の第二段階として計画にもとづいて第二の研究課題に取り組み、プログラミングソフトのXcodeを使ってタブレット用のアプリケーション開発を進めるとともに、オンラインを活用した美術鑑賞学習でのメタ認知的支援を検討した。具体的には、すでに開発した美術鑑賞教具としての「鑑賞支援ツール」の各機能についてデジタル・プロトタイプを作成し、その改良を進めて美術鑑賞における思考過程をメタ認知的に支援する学習方略を具体化した。アプリケーション開発では、プログラム言語のSwiftを使いiOSディバイス用として4種類の美術鑑賞支援アプリ(作品に関する基本情報支援としての「アートクイズ」、動機づけ支援としての「アートパズル」・「アート構図遊び」、鑑賞関心度チェックとしての「美術鑑賞プロフィール(AAP)」、鑑賞の見方とふり返り支援としての「鑑賞スキル支援ツール」)を開発し、それぞれのユーザビリティについてのパイロットスタディを行い、デジタルツールとしての利便性について検討を進めた。なお、パイロットスタディは大学生を対象に行い、教育実践上の課題を抽出し、今後の改善点を明確化した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究計画は、第二の研究課題についての取り組みであり、美術鑑賞プロセスにおける思考のメタ認知を促すための理論的フレームをもとにデジタルツールで利用できるアプリケーションのプロトタイプを作成することであった。その課題に対して鑑賞スキルの視点からメタ認知を支援する方略ツールとしてのプログラミング構造を具体化し、研究計画にしたがっておおむね順調に遂行することができた。また、デジタルツールとしてiOSディバイス用の鑑賞支援アプリケーションの作成では、これまでに蓄積してきた研究と実践の成果を活用して効果的に作業を進められている。また、それらの検討過程では、開発したアプリケーションをタブレットにインストールし、大学での授業に取り入れて実践的に改善を図るとともに、Webサイトを通して大学内外の研究者や教育実践者に積極的に公開し、幅広い交流にも努めている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、継続して第二の研究課題に取り組み、タブレットで利用できるアプリケーションの開発と改良を進め、コンテンツの精選と多様化、並びにユーザビリティの向上について検討を進める。特に美術鑑賞プロセスでのメタ認知的支援に重点をおいた支援方略の構造化と精緻化を再検討し、鑑賞スキルの視点を活用したメタ認知的支援の理論的フレームに対応させた機能を強化して、本研究で開発するアプリケーションの特性を明確化する。具体的には、すでに開発したアプリケーションにおいて鑑賞対象としている3つの美術作品(《クリスティーナの世界》《ゲルニカ》《大家族》)での「鑑賞スキル支援」「美術鑑賞プロフィール(AAP)」のメタ認知的視点からの鑑賞支援機能の改良を進め、美術鑑賞における思考プロセスとメタ認知的プロセスの統合に焦点をあててアプリケーションの改善を進めていく。引き続きプログラム言語はSwiftを使いiOSディバイス用としての質を向上させ、小規模予備実践によって開発したアプリケーションのユーザビリティの検証を進める。その予備実践と事例分析は、引き続き大学生を対象として行い、ユーザビリティの量的分析とテキストデータの質的分析を進め、より広範な学習者を対象とした場合の実践上に向けた問題点を抽出しつつ、その改善策をさらに検討する。
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