Project/Area Number |
22K02528
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | Aichi University of the Arts |
Principal Investigator |
井手 康人 愛知県立芸術大学, 美術学部, 教授 (20279037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪野 智啓 愛知県立芸術大学, 美術学部, 准教授 (00713679)
柴崎 幸次 愛知県立芸術大学, 美術学部, 教授 (10315872)
藤原 智也 愛知県立大学, 教育福祉学部, 准教授 (50737822)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 芸術教育 / STEAM / 領域横断型授業 / ワークショップ |
Outline of Research at the Start |
本研究は芸術実技の専門家と教育学との協業により、実践力や発想力を育むための初等教育プログラムを構築することを目的とする。現状の教育改革では、主体性と創造性の育成を目的とした「総合学習」が導入されたが、芸術系の専門教員の不足もあって創造力の育成に繋がる授業が実践できていない。そこで本研究では、芸術の専門家による「芸術を核とした領域・学年横断型のコンテンツ」による出前授業のモデル化を図り、遠隔授業などのICTによる教育資源を最大限に活用して、実技を交えた教育環境の構築と初等教育の現場教員を中心とした効果の共有を目指すとともに、ネットワークづくりを推進して芸術教育への取り組みの理解を広げていきたい。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は芸術教育の普及活動につなげるネットワーク構築のための活動と、瀬戸内市美術館と山陽新聞社を中心とした研究授業と情報発信、研究展の実施が主たる活動となった。 特に瀬戸内市美術館における活動では、公開対談、複数回に渡る研究授業およびワークショップの実施、新聞紙上によるインタビューと、芸術教育のテーマ展示の実施が実現し、授業・マスコミ・展覧会という形で情報発信をすることができた。 研究授業案の構築では、愛知県内での中学校におけるワークショップの実施と関連展覧会での作品発表に加えて、瀬戸内市美術館で行った連続講座において、ワークショップ型、領域横断型、講義形式の各方式で実施することができた。ワークショップでは実技の専門家を中心に創造性を育むプログラムとして、日本画体験や造形体験(小学生対象)、領域横断型では紙をテーマとした科学との複合型(小学生から中学生対象)、講義形式では美術と社会、科学の横断型(中学生以上)の案を構築し実践した。まだコロナの影響も残ることから、連続講座ではいくつかの研究授業が中止になったこともあり、企画したものの実施できなかった案も存在している。 芸術教育の普及では、研究代表者による作品展に併せて芸術教育についての研究発表のブースを設置し、パネル展示や研究授業で児童が作成した作品の展示なども行い、研究活動の芸術教育への理解拡大と周知を試みている。また研究者間での対談を新聞紙上でも公開することで、芸術教育の可能性について普及を図った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究授業は新型コロナウィルス感染症の影響もあって一部実施できなかったものもあるが、「日本画と季語」・「やまと絵と雲母」・「葉っぱアート」・「骨から描くデッサン」・「世界の紙と日本の和紙」・「幾何学文様と花」・「洗濯ばさみアート」など、実技の専門家が主導しながら領域横断型の初等教育にも繋がっていく授業案を提案し、半分以上は実施にもつなげることができた。 また分担者の藤原智也が企画した研究展示「未来へ向けた子どもの育ちと美術による学び」展(於瀬戸内市美術館、令和4年10月9日~令和5年1月15日)では、パネル展示や研究授業で作成した作品などの展示によって、美術と子どもの育ちとの関わりや日本の文化行政の実態、欧米の取り組み、伝統とデジタル活用による美術教育の可能性について周知することができた。 また山陽新聞12月24日掲載の見開き記事において、芸術教育についての研究代表者と分担者による対談が掲載された。地域に多大な影響力を持つ山陽新聞での見開き記事に掲載されることは、本科研の成果や意義の周知に大きく寄与されるものと考える。また研究代表者は、長年居住地である岡山県で芸術教育普及のための活動を続けてきた。よって関係者も多く、新聞への掲載によって、今後の活動の効果が大きく高まることが期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度では、すでに関係性を構築できている地域におけるワークショップや研究授業の継続に続き、さらなるネットワークの拡充のため、主に東京で制度設計に関わっている関係者や図画工作研究会など初等教育研究を進める団体などとも接触を図り、できれば東京の小学校あるいは中学校での研究授業実施の機会構築を図りたい。 また教育関係者へのヒアリングの実施や、令和4年度に行った研究授業の結果分析などを通して、これまでに作成した授業コンテンツを拡充させる。一部はオンラインでの実施も試みて、学校や会場などのネットワークに適した授業運営方法を探っていきたい。 さらには、令和6年度に予定している東京(会場は東京美術倶楽部を予定)での芸術教育理解促進のためのシンポジウム開催に向けて、更なる人脈の拡大を図る。
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