Project/Area Number |
22K02634
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松本 仁志 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (40274039)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 楷書筆順 / 筆順の機能的合理性 |
Outline of Research at the Start |
日本の楷書筆順は速度効率・運動効率を追求した行書系筆順が多く見られるところに特徴があるが、中国の楷書筆順は学習効率を徹底して追求しているところに特徴がある。本研究の核心をなす学術的「問い」は、同一字体でありながら、日本と中国とで、また、過去と現在とで異なる筆順があるという事実をいかに説明するかという点にある。 本研究は、江戸期の寺子屋で広く使用された往来物における右字系と左字系の運筆順序の実態を調査することで、行書系筆順の合理性である速度効率・運動効率以外の筆順決定の合理性を明らかにし、明治期以降今日までの楷書筆順との相関を踏まえながら通史としての筆順史に位置付けることを目的としている。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本の楷書筆順における行書系筆順の定着を決定づけた江戸期において、右字系筆順(ノ―)と左字系筆順(―ノ)の書き分けの実態を調査し、速度効率、運動効率だけでは説明できない筆順決定の合理性を明らかにしようとするものである。研究期間中には、調査結果を通史的に解釈し筆順史に位置づける予定である。 2022年度は、現有の石川松太郎監修『往来物大系』全十巻(1992-1994)所収の往来物資料757点をもとに、各往来物の刊行期を整理し、右字系筆順字種(「右」「有」「布」)と左字系筆順字種(「左」「友」)のデータ整理のための枠組みを検討した(当初計画「1」)。また、草書にはその成り立ちの違いにより、楷書字形とかけ離れた字形と楷書字形を類推できる字形とがあるので、その区別を明確にするために、課題番号19K02683「日本の楷書筆順における行書系筆順の定着過程に関する研究」(2019~)で先行収集していた40字種のうち、本研究課題に関連する「右」「有」「左」のデータをもとに、草書における書体区分、草書と行書の書体区分を明確にするためのスケール作成(当初計画「2」)の検討をした。さらに、該当字種の漢字を効率よく抜き出し(スキャンし)データを整理する作業方法を検討するとともに(当初計画「3」)、収集した漢字から運筆順序を抽出する方法について先述の課題番号19K02683「日本の楷書筆順における行書系筆順の定着過程に関する研究」での経験を参考にして検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
作業補助員の確保に手間取ったが、先行して取り組んでいる課題番号19K02683「日本の楷書筆順における行書系筆順の定着過程に関する研究」において収集したデータを本研究課題においても使用することができたため、作業負担が軽減した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題においてもっとも時間を要する当該字種の抜き出しとデータ整理の作業を2023年度中に完了できるように、作業補助員の増員を計画している。
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