アジアのグローバル化と芸術教育による独自文化形成の調査研究
Project/Area Number |
22K02635
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
福田 隆眞 山口大学, その他部局等, 名誉教授 (00142761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 宰 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (40261375)
石井 由理 山口大学, 教育学部, 教授 (70304467)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | アジア / 芸術教育 / 独自文化 / 美術 / 音楽 / 多民族社会 |
Outline of Research at the Start |
本研究はグローバル化した21世紀のアジアにおいて、芸術教育が如何に国民文化や地域の独自文化の形成に関与し、貢献しているかを調査によって明らかにするものである。アジア諸地域は、19世紀以降の近代化により西洋文化の影響を受け、個々の独自文化を形成してきた。例えば日本で言えば、明治初期に紹介された西洋美術や音楽は、日本の近代美術、近代音楽を生み出した。それらは日本の文化的土壌において独自の芸術文化となって、現代化、国際化を遂げてきた。こうした芸術文化の発展の背景には、芸術教育を通じた文化理解の基礎的な資質形成があった。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は21世紀の現在、アジアにおいてもグローバル化が進み、文化のグローバル化に並行して、独自文化の追究がなされている。特に多民族社会を基盤とした国家では独自文化の形成に教育が関与している。こうした状況に基づき、本研究では東南アジアと東アジアの芸術教育の調査によって独自文化の形成を如何に進めているかを考察するものである。本年度は研究期間の1年目である。アジアにおける芸術教育の教育課程、教育内容、実態について調査を進めている。本年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により、現地での実態調査を行うことができない状況であったので、文献と機器を利用した聞き取り調査を行った。対象地域はインドネシア、シンガポールである。さらに、台湾、韓国、マレーシアの資料収集と整理を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は新型コロナウイルス感染症の影響により、調査対象地域への直接の訪問が出来なかったので、文献、聞き取りによって調査を進めた。研究代表者の福田はインドネシアを対象に中等教育の美術分野の調査研究を進めた。教科書を中心に教材と「四層構造」との関連、及び育成されるコンピテンシーの関連を考察した。また、福田は研究分担者の石井とともに前期中等教育の音楽と美術の教育とコンピテンシーとの関連を教科書に基づいて調査し、それらが国民文化の形成にどのように関わっているかを考察した。研究分担者の佐々木は、シンガポールを対象にして、中国、マレー、インドの文化の教材化を通して民族的なアイデンティティー形成が進めれてきたことを踏まえて、民族を超えた国民的なアイデンティティーが模索されていることに着目し、アイデンティティー形成と創造性を結び付けたシンガポールの美術教育について考察した。さらに石井は音楽教育の分野において、シンガポールとインドネシアに着目して、近代化と国民文化形成における音楽教育の役割を考察した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は新型コロナウイルス感染症の影響に注視し、調査対象国を訪問して実態調査と聞き取り調査を進める。調査対象としては、インドネシア、シンガポール、マレーシア、台湾、韓国、ベトナムを計画している。調査の観点は、多民族社会と国民文化の関係の様態、美術教育音楽教育における教材の構造、グローバル化と伝統文化の関係、とする。 インドネシアにおいてはすでに研究を進めている「近代の美術における四層構造」の調査を掘り下げて、伝統美術と西洋美術の関係の様態と自国文化形成との関係を調査する。音楽教育についても聞き取り調査によって教材の構造を明らかにする。シンガポールにおいてはグローバル化による国民文化の形成について調査する。 マレーシアにおいては、まず、近代の美術における四層構造を明らかにし、マレー文化、インド文化、中国文化さらにはブミプトラによる文化の影響について実態調査、聞き取り調査を行う。 台湾においては近代の美術の四層構造を明らかにし、台湾独自のローカルカラーの現状について調査を行う。韓国においては近代の美術の四層構造についての研究を進めてきたので、美術教育と国民文化形成、グローバル化による伝統文化の取り扱い等について実態調査を進める。ベトナムについては教科書等を中心に四層構造と自国文化形成の調査を進め、その後実態調査を行う。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)