地域創生学の文理融合型フィールドワークの開発:地理総合必修化と高大接続を踏まえて
Project/Area Number |
22K02638
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
高橋 信人 宮城大学, 事業構想学群, 准教授 (90422328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蒔苗 耕司 宮城大学, 事業構想学群, 教授 (10295404)
金子 浩一 宮城大学, 事業構想学群, 教授 (10367419)
石内 鉄平 宮城大学, 事業構想学群, 准教授 (90527772)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 地域創生 / 文理融合 / 地理総合 / フィールドワーク / 高大連携 |
Outline of Research at the Start |
日本の各教育機関ではフィールドワーク(以下,FW)による地域学習が盛んになっている。本研究では,地域創生の核となる地理・経済・統計・情報の文理融合による,高大接続・企業連携を踏まえた実践モデルの構築と検証をおこなうことを目的とする。まず,文献調査で新課程の地理総合・数学Ⅰ・情報Ⅰ・公共の新出項目を確認し,高校教員への聞き取り調査でFWの実践例を検証する。次に,自治体や企業に聞き取り調査を行い,FWがどのように評価されるかを明らかにし,高校教員へのアンケート調査の結果に基づいてFW実践モデルの利点と課題を探る。実践モデル等の成果は,最終的に,高校と大学で広く活用可能にするためにウェブで公開する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,地域創生の核となる地理・経済・統計・情報の文理融合による,高大接続・企業連携を踏まえた実践モデルの構築と検証を行うことをめざしている。2022年度は,高校教育の学習課程の変化を把握するために,主に新課程における地理(「地理総合」6冊)と公民(「公共」12冊)の教科書を対象に記載内容の調査を行った。 「地理総合」は,3つの大項目「A地図や地理情報システムで捉える現代世界」,「B国際理解と国際協力」,「C持続可能な地域づくりと私たち」で構成される。実践・演習の内容を比較すると,旧課程「地理A」では地形図の読図に関する分量が大きい一方で,新課程「地理総合」では地形図の読図に加えて,上記大項目Aに関連したウェブGISの活用や探究活動を通しての資料のまとめ方に関する記述が多い。このため教科書によっては,「地理A」では地域調査の単元で資料のまとめ方や作図の方法が説明されていたものが,「地理総合」では別単元で説明され,地域調査の単元では簡単に言及される程度になっているなど,新旧課程で構成の変化に伴う記載内容の変化が認められた。 また「公共」については,とりわけ地域経済に関する項目のうち,掲載する教科書が多くなったものの内容を確認した(金子, 2022)。その一つに,「共有地の悲劇」が挙げられる(学習指導要領では「牧草地」と表現されていた項目)。半数以上の出版社が掲載するようになったが,高大接続性は強まったことが確認された。ただし,説明の仕方は文章や図だけのケースと,具体的に数値例を用いたケースとに分かれていた。数値例は四則演算で計算できる平易なモデルであり,自己の利益を追求することで地域全体の利益が減少する恐れがあることを理解できる内容である。これは,地域企業を対象としたフィールドワーク調査を実施する際に,協調性や地域貢献について考えるのに参考になる内容であることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ある程度は計画通り,地理と公共に関しての高校教科書の調査をすすめることができた。しかし,教科書の記載内容を評価するにあたって,より客観的な評価を与えるために,テキスト分析の必要性を認識しはじめたことから,新たにテキストのデジタル化に着手して,その分析をすすめることにした。今後は,新たに出版された教科書を加えてこのテキスト分析をすすめ,調査結果をまとめて学会等で公表していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
デジタル化した教科書のテキスト分析によって,フィールドワークに関する記載内容の客観的な評価を行う。並行して,高校の学習内容で分析できることと大学初年次教育で注意すべきことがらを解明するために,地理および公民の高校教諭への聞き取り調査を行う。各校の特徴ある取り組みを,高校教諭への半構造化インタビューによって把握する予定である(なお,既に概要は固めており,各質問項目の精査をする段階である)。得られた研究成果は適宜学会等で発表を行う予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)