Project/Area Number |
22K02668
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
|
Research Institution | Osaka Ohtani University |
Principal Investigator |
今宮 信吾 大阪大谷大学, 教育学部, 教授 (60780236)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
|
Keywords | ハイブリッド活用 / 手書き文字文化 / 1時間の授業展開 / 学年発達の差 / ペンタッチ入力との比較 / 文字獲得 / 生活経験と語彙 / 授業実践と実態調査 / 文章作成能力 / カリキュラム・マネジメント / 話しことばと書きことば / スタートカリキュラム / 教科書活用 / 言語感覚 / 児童の作文能力 / GIGAスクール構想 / 語彙力 / 直接経験 / ICT活用 |
Outline of Research at the Start |
ICT活用が進むことにより言語を獲得する方法や意味が変わるのではないかと危惧している。それと共に危惧していることは、言語の獲得や運用段階である小学校低学年の時期に、デジタルを活用した学びに伴う、間接体験(VR体験)が進み、それによって文章表現能力が変容するのではないかと想定している。本研究のテーマを「小学校低学年における文書表現能力の研究―ICT活用の発展と直接体験との相関―」とした。文書表現力を考察する際に、デジタルによる間接体験と直接体験を二項対立的に位置付けるのではなく、それぞれが備えている良さを補完し合いながら小学校低学年における文書表現能力の発揮・伸長について研究を進める。
|
Outline of Annual Research Achievements |
アクティブ・ラーニングによる教科横断的学習の展開によって、総合的な学習の時間など小学校でも課題解決的な学習が展開されるようになってきている。その中で1時間の授業展開において次のような学習過程が定着しつつある。「導入」「課題の創出(確認・共有)」「課題追究」「課題成果発信」「ふりかえり」それぞれのかていにおいてどの程度ICTが活用され、その有効性についてはある程度検証できている。まず「導入」については、映像や図表などによって今までの学習の想起や本時の授業展開の見通しなどに用いている。「課題の創出(確認・共有)」においては、概ね手書きで行うことが多い。「課題追究」の場面では一番多くICT活用が展開されている。その内容は情報収集、情報整理、情報共有が多い。「課題成果発信」においては、圧倒的にICT活用が多く、効果的に行われている。ここでは、スライド機能を用いた発表が多く、文字入力は少ない。「ふりかえり」については指導者の考えが現れる場面であり、思考をさせることにねらいを置いている場合には、手書きでノートに書かせる場合が多い。低学年における学習を中心に考察してきたが、その先である中学年、高学年についても追いかけていく必要がある。今後の課題である。 また、別の視点からICT活用の特徴も見られる。令和の日本型学校教育における「個別最適な学習」に適応させるために、個人差への対応をICT活用で補っている。これらのことをまとめてハイブリッド活用がスムーズに進んでいるといえるであろう。そこにおける文章作成の活動は、低学年においては、キーボード入力よりも、ペンタッチ入力か指タッチ入力が多い傾向にある。このことが文章作成能力に与える影響は多いと想定できる。そこで今後は手書き文字での入力との違いを考えていく必要があるとわかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1年間コロナ禍で学校現場に入って行う研究が不十分であったために、iPadなどの機材の提供が遅れたことと、それに伴うアンケートなどの調査が立ち止まっていた。2023年度については多くの授業参観ができ、それについての検証を現在行なっている最中である。また小学校では教科書改訂もあり、昨年度分析した小学校入門期の国語科教材の在り方についても再検証する必要が生じてきた。実践校での2年間の授業記録をもとにそれをデータ化することが遅れている。8月をめどに見通しを立てていきたい。現在、各学校での授業研究会が進んでいる。また自主研究会の課題でも手書き文字の必要性を再考する予定にしている。学生アルバイトなど入力作業を行なってこなかったのでそれについてこ今後考えていきたい
|
Strategy for Future Research Activity |
新教科書を入手し、8月までに分析すること、新たに手書き文化に関する調査を行うことなどが新たに取り組むことである。その他に授業研究を通して今年度研究発表会がある学校については文章作成能力について検証する計画である。タブレット活用の際のシステムとしてロイロノート、ミライシード、スカイメニュー、スクールタクト、Googleクラスルームなど違いがありそれによってもたらされる効果についてはまだ検証できていない、それぞれの特徴をとらえて今後文章表現能力との関係を見出したい。またデバイスについてもiPadとそれ以外のものとの違いは感覚的にわかっていて、iPadの方が入力に特徴があることはわかっている。フリックでの入力の特徴がどのように影響を与えるのかについても今後検証していきたい。今年度の全国学力・学習状況調査の国語の問題が書くことに傾倒していたところについても検証していきたい。令和4年度文化庁の国語に関する調査についてもカタカナ表記やICT活用のことが触れられているので考察の参考にしていきたい。
|