Project/Area Number |
22K02682
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09050:Tertiary education-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
近田 政博 神戸大学, 大学教育推進機構, 教授 (80281062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 乾史 佛教大学, 教育学部, 教授 (20240070)
葛城 浩一 神戸大学, 大学教育推進機構, 准教授 (40423363)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | コア・カリキュラム / 学士課程教育 / 教養科目 / ディプロマ・ポリシー / 質保証 / 教学マネジメント / 教育本部機構 / 大学教育 / 高等教育 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、日本の国立大学において教学マネジメントを最適化する組織構造と機能を検証することである。具体的には、第一に、国立総合大学における教育執行部および教育本部機構の組織体制を類型化し、その日本的特性を明らかにする。第二に、教学関連の課題について、学内の意思決定と合意形成の過程におけるコンフリクトの発生要因を特定化する。本研究では、教育本部機構の構成メンバーが入れ替わるなかで、「協働型リーダーシップ」の考え方に基づく相互の信頼関係をいかに形成し、組織文化を持続可能なものにするためにどのような工夫が必要かという点に着目する。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、日本の学士課程教育において教養科目のコア・カリキュラムがどのように構成されているのかを文献資料によって検証し、その特質と課題を明らかにした。コア・カリキュラムの編成原理には、特定の科目群を選択必修とする「領域コア方式」と、特定科目を必修とする「科目コア方式」がある。ハーバード大学から大きな影響を受けた日本の国立大学では、「領域コア方式」が主流をなしていた。旧教養部時代は「〇〇学」のような学問分野別科目が中心であったが、教養部廃止以後は「〇〇の成り立ち」「〇〇と〇〇」のような主題別科目も増えつつある。今日の国立総合大学の教養科目においては、学問分野別科目と主題別科目が並存している状態である。近年では初年次教育や導入教育の要素を教養科目のなかに取り入れて、「科目コア方式」を導入する事例が増えつつある。 また、ディプロマ・ポリシーで定める能力の評価方法として、特定の科目群の成績と学生の卒業時アンケートの関係性を論文において分析した。すなわち、成績という直接評価と学生の自己認識という間接評価の関係性を検討した。その結果、直接評価の指標としてのGPAおよびGPの合計値と、間接評価の指標としての卒業時アンケート回答結果の間には、有意な正の相関関係は総じてみられなかった。その理由としては、自身の学修成果について振り返ることが学生に認識されておらず、ディプロマ・ポリシーやカリキュラム・マップを理解しないまま履修が進んでいること、授業外学修時間が相対的に少ない学生が「少ない学修への投資」に見合う見返りとして卒業時アンケート調査に一定のポジティブな回答をした可能性が考えられることを指摘した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで教育本部機構の構造と機能については、ディプロマ・ポリシーに基づいて教育本部機構がどのように構成されているか、とりわけ教育本部機構の根幹をなす全学共通教育の実施組織のカリキュラムがどのように構成されているかを、国内の主要研究大学を事例として調査してきた。また、大学院課程における共通教育の実施体制と課題についても検証を行った。 令和5年度は全学共通教育のなかでコア・カリキュラムがどのように体現されているかを検証することによって、大学全体のなかで教育本部機構や全学共通教育の実施組織がどのような位置づけになっているかを明らかにした。また教学IRの機能がどのように教育本部機構のなかに位置づけられているかを確認するために、特定の科目群の成績と学生の卒業時アンケートの関係性について調査を行った。この結果、学生はディプロマ・ポリシーにおいて自分にどのような能力形成が求められているかをあまり認識しておらず、この点を教育本部機構内の教学IR組織がサポートしていく必要があることを確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
国内主要研究大学における全学共通授業科目の目標、実施体制、カリキュラムの変遷過程を調査することで、旧教養部の廃止以降、学士課程教育および大学院教育において、全学規模で歴史上どのような課題が存在し、それらを教育本部機構がどのように対応しようとしたのかを検証する。 コア・カリキュラムや全学共通教育の持続可能性と教育効果を高めるために、各種委員会、教育部会、ティーチング・アシスタント、研究大学において増えている上級ティーチング・アシスタント、諸規則、事務担当などの教育インフラをどのように整備するのが合理的なのかを国内主要研究大学の事例から検証する。 教育本部機構の主要機能の一つである教学IRについては、全学ディプロマ・ポリシーと各部局ディプロマ・ポリシーの達成状況の関係性を検証する。これによりディプロマ・ポリシーの達成目標の設定・調整等において教学IR組織が果たす役割を明らかにする。
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