Project/Area Number |
22K02683
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09050:Tertiary education-related
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
原田 健太郎 島根大学, 学術研究院教育研究推進学系, 講師 (60634441)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2025: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 高等教育 / 国立大学法人 / 機能分化 / 中期目標・中期計画 / 大学経営 / 大学の管理運営 / 国立大学 / 機能分化と多元化 / 資源配分 / 外部資金 / 管理運営 |
Outline of Research at the Start |
法人化を経た2000年代以降において、競争的資金の拡大と細分化が進んでいる。本研究は、国立大学に着目し、政府と国立大学が資源配分を通したコミュニケーションを経て、国立大学の機能分化が進む一方で、その役割の多様化・多元化している現状を明らかにする。国立大学が機能分化する過程について量的分析を通して明らかにしたうえで、今日の国立大学を類型化するとともに、今後の財政支援や個々の大学の管理運営に対する示唆を明らかにすることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度については、主に二つの観点から研究を行った。 一つ目は、国立大学における競争的資金の獲得が大学の種別化に与えた影響に関する研究である。大学の収益の一形態である競争的資金が、2000年代以降に急激に拡大したことから、代表的な競争的資金についての各国立大学の獲得状況を検証し、それが大学分類間で差異があるか、更にはその獲得状況が、2010年代の大学の実質的「種別化」に影響を与えているかの検証を試みた。検証の結果、競争的資金については、一部の大学が独占的に獲得していること、それらの外部資金を獲得した大学はその後その内容に沿った機能を選択する一方で、競争的資金を獲得できなかった大学群は、異なる機能の選択を強いられている可能性があることを明らかにした。このように、競争的資金の採択において大学分類間で大いに差異があることを明らかにした上で、競争的資金の採択の可否が2010年代の国立大学の実質的「種別化」に大きく影響したことを実証的に明らかにした。研究成果は、査読誌で今後出版予定である(原田・島 2025)。 二つ目は、国立大学法人が作成している中期目標・中期計画の分析である。各国立大学法人は、法人の基盤的目標となる中期目標・中期計画を作成している。同資料を分析することで、各国立大学法人の現状と今後の方向性を明らかにすることが可能となる。同資料は、ウェブ上で公開されている。そこでまず初めに、全ての中期目標・中期計画についてテキストデータに変換し、調査分析を行える環境を整備した。2024年度はそれを用いて、中期目標・中期計画の選択の状況や記載内容についてのテキストマイニング等を実施し、その内容が、大学分類間で差異があることを明らかにした。研究成果については、国立大学の管理運営の担い手も複数参加する国立大学協会開催の研究会で発表を行っている(原田 2024)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画に基づいて、文献調査、データの収集と整備を着実に行っていることはもちろんのこと、調査研究の成果が査読誌に掲載予定の段階にあり、成果も着実に積み重ねられている。併せて、国立大学協会開催の研究会での研究成果を発表する等、社会への発信も行えている。 このことから、以上の評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、計画に沿って二つの事項に取り組み、その研究成果を残していくのに加えて、研究計画書にはない事項についても新たに取り組んでいくこととする。 一つ目として、前年度に調査研究の基盤を整備した、中期目標・中期計画データを用いた調査研究を継続して行い、学会発表や論文執筆を行うこととする。 二つ目として、継続して国立大学に関わる網羅的なデータ整備を行い、中期目標・中期計画を用いて執筆する論文での活用を行う。 三つ目に、研究計画には無いものとして、学校基本調査の二次分析を行うための準備を開始することとしたい。先行研究で行われた、国立大学の教育の機能についての追跡調査を実施し、改めて国立大学の機能の今日的役割を明らかにしたい。
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