グローバルな「学びの場」の創造:多様性を支える国際共修モデルの開発
Project/Area Number |
22K02685
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09050:Tertiary education-related
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
加藤 鈴子 九州工業大学, 教養教育院, 教授 (30633151)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
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Keywords | 国際共修 / 学びの「場所」の構築 / コンピテンスの社会性 / 学びの場の構築 |
Outline of Research at the Start |
本研究は「学びの場」の構築という視点から国際共修を通した学びを可視化し、移動を伴う国際共修とバーチャルな国際共修の役割・可能性を把握し、ウィズコロナ時代の国際教育プログラムのデザインする試みである。移動を伴う従来型の国際共修とオンラインで実施する国際共修では、構築される「学びの場」にどのような違いがあるのか。オンライン国際共修を従来型の代替としてではなく、「学びの場」のレパートリーの創造と捉えることで、経済的等理由により従来の移動を伴う国際共修から疎外されてきた学生も対象に含むことができる、より複合的・効果的なグローバル・コンピテンス獲得のための教育プログラムを提案する。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は国際共修プログラムの教育効果の検証のため、すでに収集済みの学生記述の分析と学生への聞き取り調査を行った。加えて大学における国際共修コミュニティー拡大への手がかりを得るために、研究者が担当する教養科目において「国際共修に参加すること」に関するアンケート調査を実施した。 記述分析においては、特に2019年度と2020年度の国際共修参加者の記述に着目し、国際共修の「場所」の再構築を試みた。その結果、国際共修「空間」に存在した言語・文化資源の豊かさが一部ではあるが見えてきた。また学びの「場所」を構築するのに、休憩中の活動や準備活動など、様々な時空間が絡み合っていることも明らかになった。さらに、自己評価の高低に関わらず「場所」の協働構築がそれぞれのグループ内で行われていることも明らかになったと同時に、協働構築した「場所」が言語能力の自己評価を左右している可能性を示唆しており、コンピテンスの協働構築性と関連深いと考える。 聞き取り調査については、移動を伴うプログラムの実施の多くがコロナ禍でR5年3月の実施となったため、R4年度は主に移動を伴わない(オンラインの)プログラムの描写および学習成果(教育効果)について、7名の学生の聞き取り調査を行った。今回の聞き取り調査では、海外協定校からの参加者2名の協力を得ることができ、学びの「場所」のより厚い記述につながると考える。 またアンケート調査では82名から回答を得ることができた。一次分析では興味の度合いの選択理由についてカテゴリ分類を行ったが、同じカテゴリに分類される理由でも興味の度合いの選択が異なるケースが見られ、「興味がある」「興味がない」という選択肢自体、文脈から切り離すことはできず、「国際共修に参加すること」を学生個人の「積極性」「自主性」のみならず、社会的に位置付けることの重要性の示唆を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
移動を伴うプログラムの実施の多くがコロナ禍でR5年3月の実施となり、また参加者数も限られていたため、聞き取り調査対象の選定が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は(a)令和4年度に収集したデータの追加分析および整理、(b)COIL型教育拡充による大学の「グローバル化」への影響の分析、そして(c)移動を伴うプログラムとオンラインプログラムを組み合わせたより複合的・効果的な国際教育プログラムの開発の立案を行う。(a)ではR4年度に分析したデータをコーディング、カテゴリー生成し、キーワードの抽出を行い、国際共修における「学びの場」を可視化する。様々な異文化間学習・国際共修の過程でどのような「学びの場」が存在するのか、また物理的な場所がグローバル・コンピテンスに関わる「学びの場」と変容するにはどのような要素が必要なのかなどをマッピングし、国際共修が提供しうる学びをマッピングする。また移動を伴う国際共修プログラム参加者に聞き取り調査を行う。(b)ではR4年度に収集したプログラム参加者への聞き取り調査およびアンケート調査のデータの多層的再帰的な分析により、学生が国際共修の学びの場をどのように認知しているのか、またそれが大学のグローバル化とどのよう に関係があるのかを、コーディング、カテゴリー生成し、キーワードの抽出などの過程を経て明らかにする。(c)では応募者がこれまでに協働で国際共修を実施した実績のある大学(マレーシア、アメリカ)の教師とともに、(a)と(b)により得られた国際共修「学びの場」の知見をもとに、物理的な移動を伴う国際共修とバーチャルな国際共修の役割・可能性を活用した、ウィズコロナ時代の国際教育プログラムを立案する。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)