語彙属性の最適化に基づく発達性読み書き障害児のための漢字読み支援教材の開発
Project/Area Number |
22K02763
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09060:Special needs education-related
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
後藤 隆章 横浜国立大学, 教育学部, 准教授 (50541132)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 発達性読み書き障害 / 漢字読み / 単語の共起性 / 語彙属性 |
Outline of Research at the Start |
発達性読み書き障害児の漢字の読み困難は語彙属性より影響を受ける。 本研究では、教科書の文情報から統計的手法を用いて学習漢字の概念間の距離を語彙属性情報の「単語の類似性」指標として算出し、発達性読み書き障害児の読み困難との関連性を明らかにする。そして、漢字の語彙属性を調整した漢字読み課題を実施し、発達性読み書き障害児の認知特性に応じて最適となる漢字の読み学習内容の構成・順序条件を明らかにする。 得られた知見に基づき、学習者の認知特性に応じて漢字の語彙属性情報の調整可能な漢字の読み支援教材の開発し、その有効性を文レベルの波及効果を含めて検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和3年の中央教育審議会答申では「個別最適な学び」の考えに基づき、学習者を中心に据えて効果的な指導を実現するための多様な学びの場の一層充実・整備等の重要性が指摘されている(文部科学省,2021)。読み書き困難を示す発達性読み書き障害においても、個々の状態像に応じて調整可能な漢字の読み書き教材の整備が求められている。各学年で学習する漢字は学習指導要領に示されているものの、漢字の学習順序は指定されていない。学校での漢字の読み学習は教科書の内容に基づき進められるため、漢字の学習におけるつまずきは教科書本文の読み困難を引き起こし、教科内容の理解に影響を及ぼす。よって読みの学習効率が最も高まるように効果的な漢字の学習順序やリストを提示することは教科学習の習得を進める上で重要な支援となる。 発達性読み書き障害児が示す漢字の読み困難は語彙属性による影響を受けることが知られている。語彙属性には、その言葉の出現頻度や親密度、イメージのしやすさを表す心像性などがあり、語彙属性を調整した読み学習課題を設定することで読み処理に対する認知負荷を軽減させることが期待され、発達性読み書き障害児を対象とした読み支援教材の開発につながることが期待される。 そこで、本年度の研究では、語彙属性の一つである「単語の共起性」に注目し、発達性読み書き障害児における漢字の読みにおいて単語の共起性が与える影響について検討した。単語の共起性とは、同一文中で用いられる単語同士の関係性を表しており、単語の共起性が高い場合には、その単語同士が一緒に用いられやすく、単語間の概念的関係性も近い関係であると考えられている。発達性読み書き障害児における漢字の読み成績において単語の共起性の影響の有無やその内容について検討を行い、発達性読み書き障害児への漢字読み支援条件を整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、単語の共起性を考慮した漢字の読み評価課題の作成を行なった。そして発達性読み書き障害児を対象に、作成した漢字の読み評価課題を実施し、読み成績との関連について検討を行なった。単語の共起性を考慮した漢字の読み評価課題の作成においては、小学校3年生から6年生までの社会科教科書に記載されている文情報についてテキストマイニングツールを用いて解析を行い、出現頻度が高かった単語上位20語を標的単語として整理した。そして、単語の共起性に基づき各標的単語における高共起性単語と低共起性単語を抽出し、標的単語と高・低共起性単語によって構成した問題文を作成した。次に、通級指導教室を利用する発達性読み書き障害児を対象に作成した漢字の読み評価課題を実施し、低共起性単語を用いた場合と高共起性単語を用いた場合による標的単語の読み成績の違いや読みに対する自信の程度について比較した。その結果、発達性読み書き障害児の中には、低共起性単語よりも高共起性単語の方が標的単語の読みの正答率がわずかに増加であっても、読みに対する自信が有意に高まる事例が認められた。
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Strategy for Future Research Activity |
小学校社会科教科書に掲載されているテキスト情報に基づいて、単語の共起性に基づく漢字リストを作成することができたため、漢字読みの評価手続きを工夫することで、単語の共起性の効果が最大化(最適化)される学習条件を検討していく。また、単語の共起性による効果と発達性読み書き障害の認知特性との関連を検討するため、研究協力者となる対象学年を広げた検討を行う。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)