保育者の間主観的かかわりがASD児の社会性の発達に与える影響についての検討
Project/Area Number |
22K02768
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09060:Special needs education-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
横山 佳奈 名古屋大学, 心の発達支援研究実践センター, 特任助教 (40910906)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / 障害児保育 / 社会性の発達 / 関係発達 / 間主観性 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,自閉スペクトラム症児(ASD児)が保育者や同年代他児と共に過ごす場である保育場面に着目し,保育者がASD児の気持ちを把握し,かつ把握していることを明確に言葉で表現するような間主観的なかかわりによって,ASD児と保育者または他児との情緒的な対人交流の場が生まれる過程や,それに伴うASD児の社会性の発達的変化・変容について,保育場面での観察を通して明らかにすることを目的とする。間主観的な意識体験に苦手さをもつASD児に対しての保育者の介入や他児との関係形成について質的に検討を行うことで,日常場面で行える支援の可能性を検討していく。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,統合保育場面におけるASD児の社会性の発達的変化・変容に,保育者の間主観的介入が与える影響について明らかにすることを目的とした3年計画の研究である。 今年度の研究実施状況として,日本のA県内の私立保育園にて,社会的コミュニケーションの困難さをもつ5歳の対象児2名を対象に,計15回の観察を行った。主に,保育園での自由遊び場面または設定保育場面におけるASD児と保育者または同年代他児とのかかわり場面を対象とし,ビデオカメラを用いて観察しデータ収集を行った。 ビデオカメラで記録した映像データからフィールドノーツを作成した。フィールドノーツからエピソードを抽出し,ASD児の社会性の発達的変化・変容に,保育者の間主観的介入が与える影響について明らかにするために,保育士のASD児への介入に着目し分析を行った結果,設定保育場面における保育士からASD児への声かけは,まずは【全体への抽象的・暗黙の指示】を行い,対象児の様子をみて【個人への声かけや具体的な指示】をし,それでも対象児が指示に従えていないようであれば【個別に寄り添った声かけ】というように,対象児の理解の程度をみながら指示を段々と具体的,個別に行っていることが示された。今後は,観察データからより詳細な分析を行い,保育現場におけるASD児に対しての保育者の間主観的介入が行われる場面の詳細や介入の種類,それに伴うASD児の社会性の発達的変化について検討を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は,社会的コミュニケーションの困難さをもつ5歳の対象児2名を対象に保育園での観察を実施し,保育場面におけるASD児の社会性の発達的変化・変容に,保育者の間主観的介入が与える影響についてのデータ収集を終えることができた。その一方で,データの整理や分析に十分な時間をかけることができず,学会発表および学術誌への投稿を行うことができなかった。そのため,全体的な研究計画の達成度は「やや遅れている」と評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は研究の最終年度となるため,収集したデータの整理と分析を進めていく。具体的には,観察記録をもとにASD児と保育士または同年代他児とのかかわり場面をエピソードとして抽出し,保育士が保育場面において行う間主観的介入のカテゴリーの作成や ASD児と他児とのかかわりにおける保育者の間主観的介入の媒介機能について検討する。また,これらの成果について学会発表や論文投稿を行う予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)