現職教師に対する再教育のための「オンラインシステム」の構築と効果検証
Project/Area Number |
22K02797
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09070:Educational technology-related
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
植木 克美 北海道教育大学, 大学院教育学研究科, 教授 (70292068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 信一 東北大学, 教育学研究科, 名誉教授 (50210969)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 教師教育 / 若手教師 / 世代間継承 / ワークショップ / ヴァーチャル / エデュサポネット / 異世代交流 / ワークショップ開発 / メタバース / ヴァーチャルワークショップ / オンラインシステム / 研修 |
Outline of Research at the Start |
教育工学的アプローチにより、多忙な教師がいつでもどこからでも学び続けることを支援するオンラインシステムを構築します。次の3つに取り組みます。①教師の世代生成、異世代交流を促進するオンラインワークショップをパッケージ化し、対面によるワークショップとのハイブリッド形式を定式化します。そして、②先輩教師の経験知を若手教師に伝える「悩み事対応集」を制作し、サイトに公開します。さらに、③ ①と②を組み込んだ現職教師支援のサイト設置を進め、オンデマンド研修や教員養成における利活用と評価を図ります。これにより、現職教師たちの主体的対話的学びを支援するオンラインシステムによる再教育に関する研究を進展させます。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、若手教師が他の教師と対話しながら経験知を体得する学びの機会をオンラインで保障し、世代の異なる教師たちがいつでもどこからでも気軽に主体的・自律的に学び続けられる環境を教師たちに提供することを目指しています。令和5年度研究実績は次の通りです。 ①若手教師に情緒的サポートを提供し、教師たちの実践知を世代間継承するために定式化を進めているオンラインワークショップ(集合型対面ワークショップとWeb会議ワークショップのハイブリッド、仮想空間ワークショップ)を開催しました。そして、参加した研究協力者(学校教師等)にアンケート調査と個別インタヴュを実施しました。これにより、仮想空間ワークショップを質的に評価するための研究データを収集しました。なお、アンケート調査結果から、仮想空間ワークショップの可能性4つを導き出しました。第1にワークショップを仮想空間でも対面と同様に実施できる、第2に仮想空間ワークショップは気軽に参加できる人もいれば、抵抗を感じる人もいる、第3に仮想空間ワークショップへの抵抗感は仮想空間ワークショップに参加する経験が増すと下がる、第4に仮想空間ワークショップの臨場感は臨場感の構成要素と要因(安藤ら,2010)のうち、空間要素(包囲感)、身体的要素(自己存在感、インタラクティブ感、情感)と内的要因(過去の経験・学習、記憶情報からの連想)が関与する可能性が高い、です。 ②教師たちの実践知を世代間継承するための手段として、「悩み事対応集」(教師たちが経験したエピソード集)に掲載しているエピソードの数を増やし、公開できました。 ③ ①の実績を研究者たちが開設しているWebサイト「エデュサポネット(保護者支援をともに学ぶ教育者ネットワーク)」https://www.edusupp.jp/に掲載しました。また、②を同Webサイトで公開しました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の令和5年度研究実施計画3つを次のように遂行でき、研究成果を学会発表により公表、社会に還元できたからです。 ①仮想空間ワークショップを評価するため、仮想空間ワークショップを開催し、その後、個別インタヴュ調査、及びインタヴュ時に参照する資料としてアンケート調査を研究協力者に実施できました(担当:研究代表者 植木)。アンケート調査からは、「他の参加者の方とお話しをしている時は、ヴァーチャルということを忘れるほど、対面でのお話しに近い感覚で参加できました。」「対面に近い臨場感があったと思います。対面でやるよりも気軽に参加できると思います。」「対面でなくても思いや考えを共有できる点はよいと思いました。いつでも気軽に相談でき、終わったらパッと自分のことに戻れるという点でもヴァーチャル、ネットを通して交流する良さだと感じました。」等、臨場感、参加しやすさ等にかかわる肯定的評価を得ました。合わせて、仮想空間ワークショップの課題となる点についても言及があり、個別インタヴュを分析検討する際の観点を抽出できました。 ②「悩み事対応集」に掲載するエピソードの充実を図るために、エピソード数を増やし、合計84のエピソードをWebサイトに掲載できました(担当:研究代表者 植木 サイトへの掲載担当:研究分担者 渡部)。 ③エデュサポネットのWebサイトを大学院授業で活用できました(担当:研究代表者 植木)。これにより、学校教師の大学院生には自分の教育実践を省察(共感、経験のふりかえり、今後どうしたいか)を促すこと、将来、教師を目指す大学院生には教育実践をリアルに理解し、自分の将来の実践にエピソードを活用したいという意識を醸成することができました。
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Strategy for Future Research Activity |
研究をスタートして2年間が過ぎましたが、当初の計画をおおむね順調に遂行できていますので、計画に従って令和6・7年度の研究を進めていきます。なお、全研究期間を通して、システムエンジニアの大学研究者1名(コンテンツ及びサイト改修の技術的知識に関する支援)と教員養成の大学教員1名(エデュサポネットサイト利活用に関する助言)に研究助言を依頼し、研究を推進しています。 ①仮想空間ワークショップを評価するために、令和5年度に実施した個別インタヴュ調査の分析、検討を行います。そして、対面とオンライン(Web会議及び仮想空間)によるハイブリッドワークショップを定式化します。合わせて、分析を修正版グランデット・セオリー・アプローチ(木下,2003)により行い、参加者の学びの過程と特に仮想空間ワークショップの特徴(臨場感、匿名性:アバターを使うことによる心理的負担軽減等)を分析、検討します。 ②エデュサポネットサイトの「悩み事対応集」の利活用を図ります(担当:研究分担者 渡部)。そして、エデュサポネットサイトを大学院等の教員養成、現職教師の再教育で活用します(担当:研究代表者 植木)。 ③研究成果を総括し、研究の還元、継続発展を進めます(担当:研究代表者 植木及び研究分担者 渡部)。研究の総括を行い、現職教師に対する再教育のための「オンラインシステム」を進展させるために、サイトおよび学会発表等で研究成果を発信しフィードバックを得ます(担当:研究代表者 植木)。なお、本研究期間は令和4~令和7年度の4年間です。したがって、「研究計画最終年度前年度の応募が可能な継続研究課題」に対応するので、2024(令和6)年度の科研に応募することを検討します。応募に際しては、これまでに蓄積した学校教師のエピソード等を資材として、AIを活用した学校教師の経験知を世代間継承する学習システムの開発を検討します。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)