高精度に仕事関数を測定できる物理実験教材の実現と学校現場での活用実践
Project/Area Number |
22K03000
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09080:Science education-related
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
大向 隆三 埼玉大学, 教育学部, 教授 (40359089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 一史 埼玉大学, 教育学部, 教授 (40178421)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 仕事関数 / 中空陰極ランプ / 物理実験教材 / 中空陰極放電管 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、代表者が考案した中空陰極放電管を光電管として使用する新しい仕事関数測定技術を通じて、大学や高校などの学校現場で活用できる光電効果実験教材を完成させる。具体的には①仕事関数測定の高精度化に向けた光源系の改良、②学校現場での実践導入とその効果の検証などに取り組む。これらの成果により、(a)汎用性が高く、(b)実験者が理解・操作しやすく、(c)コンパクトで教室でも使用でき、(d)再現性と測定精度の高い、仕事関数測定用物理実験教材を実現させる。これにより古典物理学から量子物理学への橋渡しを容易にし、学習者をスムーズに量子物理学の世界へ導くことを狙う。
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Outline of Annual Research Achievements |
我々は中空陰極ランプを用いた新しい仕事関数測定法の開発とその物理実験教材への応用を目的として研究を進めているが、今までにこの方法を用いて測定例のないナトリウム、ルビジウムを対象に仕事関数の測定を試みた。 実用性を考慮して市販の放電ランプを使用した測定を行い、ナトリウムの仕事関数は1.8~2.1eV(光電子分光法で測定された従来の報告例は2.36eV)、ルビジウムは2.3eV(同2.26eV)という値が得られた。今回得られたルビジウムの仕事関数は従来の報告例と誤差の範囲で一致したが、ナトリウムでは今回得た値のほうがわずかに(0.3eV)小さく、誤差の範囲では一致しなかった。金属の仕事関数に関しては様々な要因が値に影響を及ぼすことが知られているが、今回はランプに封入された放電のためのバッファガス(ネオン)が上記の差を生じさせた原因ではないかと考え、バッファガスの封入されていない中空陰極ランプで再度仕事関数を測定しなおした。 その結果、ランプへの印加電圧が200Vのときナトリウムの仕事関数は2.2±0.1eV、500Vでは2.3±0.1eVとなり、従来の報告例と誤差の範囲で一致した。ルビジウムの場合にはこれとは逆に仕事関数が小さくなり誤差の範囲では一致しなくなったものの、その差は小さくて0.1eV程度であったのでバッファガスの影響は限定的であると結論付けた。 今までの我々の研究で行ったセシウム、カリウム、ユーロピウムでも、バッファガスのないランプで測定した仕事関数のほうが他の報告例とほぼ一致していたので、同様の傾向がみられることを確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々の提案した仕事関数測定法の原理実証はほぼ終えることができた。現在は汎用性の確認に取り組んでいて、可視域に限界波長をもつ元素の仕事関数測定をいくつか終えることができた。仕事関数は様々な物理的条件の影響を受けるので単純に過去の報告例との比較が難しいと予想されたが、現在のところ順調に測定可能と判断できる元素の種類を広げることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
現状では物理実験教材への応用に向けた実用化研究にあまり手を付けることができていないので、そちらに取り組む必要がある。 具体的には、(1)測定データ取得に向けた実験機器の簡素化、(2)光学系の工夫、(3)実践活用と評価の実施である。特に(2)について残りの研究期間で取り組みたい。現在のところ白色光源をフィルターに通し単色化した光で光電効果を生じさせているが、これをLEDに置き換える。これによりパワーが増した光を使用できるが、広い波長範囲で光を照射するためには、複数のLEDの併用が避けられない。このための光学配置の工夫を行う。また、今までの実験データから、単に多数の(波長で)光電効果信号を測定すれば仕事関数の測定精度が上がるわけではないとわかってきた。正確な仕事関数決定のための必要最小限のデータ数を見極めることは、光源整備のうえで大切となるので、これも明らかにしておきたい。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)