Project/Area Number |
22K03028
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10010:Social psychology-related
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
加藤 潤三 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (30388649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前村 奈央佳 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (50632238)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 移住 / 海外移住 / コロナ禍移住 / 適応 / 移住動機 / 新型コロナウイルス感染症 / 地方移住 / 受容 / 新型コロナ |
Outline of Research at the Start |
新型コロナウイルス感染症は、地方移住に対する人々の関心と在り方を変え、これまで以上に地方移住を促進させる可能性がある。本研究では、新型コロナをきっかけとする地方移住を『コロナ禍移住』と定義し、このコロナ禍移住における移住者の移住決定と適応プロセスを検討すること、受け入れ側の移住者受容プロセスを検討することを研究の主目的とする。 この目的を検証するために、全国においてコロナ禍移住を行った移住者を対象とするWeb調査を実施する。またコロナ禍移住の多い地域を選定し、その地域において自治体・支援組織を対象とする聞き取り調査、および地元民を対象とする質問紙調査を実施する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、コロナ禍移住における移住者の適応と地方の受容に関して社会心理学的な観点から検討することを主目的としていた。しかし2023年5月にCOVID-19が感染症法上の5類に移行して以降、社会的なレベルにおいて急速に現象が落ち着いていった。そのため、コロナ禍というテーマで研究をフィールド展開することが難しくなった。また2023年度は、研究代表者および分担者が、学外研究で海外に渡航した。これらの理由から、研究の主眼である「移住」に関して、COVID-19および国内だけでなく、海外移住へとテーマを拡張した。 本研究では、海外移住の中でも、特に環太平洋の島嶼地域(地理的に日本と類似)に焦点をあてた。具体的にはインドネシアのバリとニュージーランドにて調査を実施した。 まずインドネシアのバリにて在留邦人4名を対象とするインタビュー調査を実施した。その結果、移住動機として「自己実現」、「パートナーの存在」、「海外へのあこがれ」、「バリへの共感・居心地の良さ」、「日本社会に対する不満」などの要因が抽出された。 次にニュージーランドにおいて、在留邦人を対象とする質問紙調査を実施した。調査は継続中であるが、現時点で242名から回答を得た。分析の結果、移住動機として、ライフスタイルに対する志向性とそれを実現させるニュージーランドの環境が主要なPull要因となっていた。また日本社会におけるルールや価値観とのズレや不満、ワークライフバランスの欠如が日本から離れるPush要因となっていた。実際、日本とニュージーランドでの生活時間の変化として、仕事・勉強の時間が減少し、その分自分の時間や家族の時間が増加するなど、ワークライフバランスが実現されていることも示された。移住後の適応状態については、ニュージーランド移住者は全般的に高く、友人数や暮らし向きの良さが適応状態と関連があることも明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に示したように、COVID-19の感染状況および感染症法上の位置づけが変わったことに伴い、2023年度からは「移住」というフレームを拡張し、海外移住に関する研究に取り組んだ。 コロナ禍移住に関しては、まだ感染拡大をしていた2022年度に調査を実施しており、現在その分析結果をまとめた論文を執筆中である(2024年7月に投稿予定)。1つの研究課題の中でテーマが変遷しているが、コロナ禍移住と海外移住の2つに取り組むことで、ドメスティックな移住とトランスナショナルな移住との比較や、社会状況と移住との関連性など、移住に関してより広範な研究知見を得ることもできるものと考える。そういった意味で、研究全体としては、テーマは変わりつつもおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの進捗状況に記したように、COVID-19の感染状況および感染症法上の位置づけの変更に伴い、研究課題の中でテーマも変遷している。ただし、コロナ禍移住と海外移住の2つに取り組むことで、移住に関してより広範な研究知見を得ることもできるものと考えている。 2024年度は、2023年度に引き続き、海外移住に焦点をあてた調査を行う。具体的な研究の方策としては、ニュージーランド以外の地域で調査を実施し、海外移住における一般的傾向ないし地域差の検討を行う。またコロナ禍およびAfterコロナに海外移住した個人を抽出し、COVID-19が日本人の海外移住に及ぼした影響についても検討したいと考えている。
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