Why organizational crime causes: The dark side of self-control
Project/Area Number |
22K03030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10010:Social psychology-related
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
中川 知宏 近畿大学, 総合社会学部, 准教授 (80438556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 洋一郎 慶應義塾大学, 経営管理研究科(日吉), 教授 (70454395)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 組織体犯罪 / 組織的緊張 / 自己統制 |
Outline of Research at the Start |
本研究は,組織的緊張と自己統制が組織体犯罪への関与に及ぼす影響を検討する。従来の組織体犯罪研究は主に組織レベルの要因に焦点を当てたものであり,個人レベルの要因はほとんど検討されてこなかった。しかし,企業は数多くの社員から構成され,社員が協働した結果として企業犯罪が遂行されることを考慮すると,個人レベルから組織体犯罪を考察することは不可欠である。特に本研究は,組織体犯罪における個人レベルの変数として自己統制に焦点を当てる。従来,自己統制の高さは犯罪を抑制すると考えられてきたが,組織体犯罪においては自己統制の高さこそが,これを促進する機能に注目する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,粉飾決算や談合のような組織体犯罪がなぜ生じるのかということを問うものである。組織体犯罪の性質上,多くの先行研究は組織的緊張(組織目標と現実の乖離)のような組織レベルの変数に焦点を当ててきた。しかし,本研究は組織レベルの変数と個人レベルの変数の双方を考慮する。前者の変数として組織的緊張,後者の変数として自己統制に焦点を当てた。特に,組織的緊張が高い環境下では,社員の自己統制の高さこそが組織体犯罪を引き起こす一因であると仮定している。 2022年度は,組織体犯罪に関するヴィネットを複数作成したうえで,調査を実施した。研究テーマの性質上,参加者は30歳以上,かつ役職が係長あるいは課長クラスのモニター登録者に限定した。主な尺度として,組織的緊張,自己統制,否定的評価懸念,統制変数(性別,年齢,婚姻,子ども,勤務年数,収入,学歴)を用いた。主要な分析の結果として,(1)否定的評価懸念が高い参加者は組織体犯罪の実行意図が高かった(2)組織的緊張×否定的評価懸念×自己統制の交互作用が有意であった。具体的には,組織的緊張が弱い条件下では,否定的評価念が強い参加者に限り,自己統制の高さが組織体犯罪への実行意図を促すということが示された。ただし,この結果は仮説を部分的に支持するに留まり,またモデルの説明力も高くはなかった。 なお,この研究成果は,2022年度の日本社会心理学会および東北心理学会にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予備的な位置づけではあるものの,1回目の調査を終了し,仮説が妥当であることを示唆するような結果が得られた。また,この調査に伴いヴィネットや尺度の問題点もいくつか明らかとなり,今後の研究の改善点を示すものであった。以上のことから,現状では計画に沿って進んでいると言えるだろう。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,1回目の調査結果を受け,ヴィネットや尺度の見直しが求められる。また,1回目では実行意図を複数の質問項目によって測定していたが,この測定は社会的望ましさのようなバイアスがかかる可能性があるので,マルチプロフィール法を採用して,バイアスを低減する必要がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)