効果的な妬み緩和マネジメントに関する検討:多面的計測による介入対処策の提案
Project/Area Number |
22K03041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10010:Social psychology-related
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
山浦 一保 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (80405141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩澤 成弘 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (30411250)
岡田 志麻 立命館大学, 理工学部, 教授 (40551560)
西原 陽子 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (70512101)
大坪 庸介 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (80322775)
向 英里 立命館大学, 生命科学部, 教授 (60362539)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 妬み感情 / リーダーとフォロワーの関係性(LMX) / チームマネジメント / 視野拡張 / 感謝 / 外部交流 / マネジメント / 有効視野 / 多面的計測 / 介入 |
Outline of Research at the Start |
妬みの感情は、抱いた本人の精神的な健康や協力行動を阻害することが明らかになっている。そこで本研究では、妬みがより強く生じやすい文脈・組織的な環境等の特徴を明らかにした上で、[1]仲間・同僚に対して生じさせてしまった妬み感情を緩和させる、あるいはポジティブな感情状態や行動に転換させうるセルフ/チームマネジメントのあり方について、また、[2]ポジティブ機能を引き出す心理メカニズムについて、それぞれ多面的な計測指標データをもとに明らかにすることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、リーダーとの関係性の質の低さや不公正な対応を経験することによって、同僚に対する妬み感情の生起、および妬み緩和の要因について検討した。 (1)社会人を対象に調査を行った結果、上司と質の低い関係性にある人は、質の高い関係性にある同僚に対して妬みを生じさせやすかった。また、妬み感情を生じさせた後の1週間、感謝の念を抱く頻度が高かった人ほど妬み感情を緩和させる傾向にあった。この内容の一部の成果については、公益社団法人日本心理学会学術大会優秀発表賞を受賞した。 (2)スポーツ場面を想定して行った調査において、コーチの不公正な対応を受けた人は、優遇されたチームメイトに対して妬みを生じさせた。ただし、当該チーム以外の人との交流によって、この妬み感情が緩和させる傾向にあった。 (3)上司との関係性で生起する妬みの研究を行う事前調査として、リーダーの特性(prestige oriented vs. dominance oriented)がリーダーの部下との関係性維持方略とどのように関連しているかを検討した(事前調査の結果は、リーダーの特性に着目した研究としてEvolutionary Psychology誌に掲載済)。Prestige orientedなリーダーは部下から尊敬される傾向があるが、そのようなリーダーの元では妬み緩和されるのかを検討する必要がある。 (4)チーム内の交流について自然言語処理技術を用いた分析手法を提案し、人間関係の自動推定やコミュニケーションの質を自動評価するシステムを実装した。また、関連する特許も出願した。 また、リーダーとの関係性の質の低さと同僚・仲間に対する妬み感情生起の関係について、文化差を検討するための調査計画(2023年度実査予定)、感情の変化や関係形成プロセスと生理的反応との関係について、研究レビューを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アンケート調査について、その調査票の作成はほぼ完了しており、調査実施時期、対象者、予算執行等を勘案し、2023年度早々に実査する予定である。 実験については、その場面と測定指標の吟味を行っており、2023年度に実験を開始する。 チーム(集団)におけるこころの共感について、コミュニケーションにおいて共感が発生する場合には身体的な動作の同期や神経的な同期(自律神経系など)がみられることがわかっている。これをもとに、ウエアラブル脈拍系で計測した脈拍数から、集団に対する脈拍同期を示す関数を導出し、共感性を表す数値を算出することに成功した。主観調査のアンケート結果とおおむね結果は一致していた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、(1)妬み感情の文化差に関するアンケート調査の実施・分析を行うこと、(2)妬み生起-緩和のメカニズムを明らかにするための実験を行う。 (1)については、具体的な調査対象者選定を行い、インターネット調査会社に依頼し実施する方向で検討している。 (2)については、2022年度内に検討を進めたきた実験場面の設定準備を行う。予備実験を通して、心理面、生理面の測定指標の妥当性や感度を確かめ、本実験を進めていく。これについては、実験の準備・実施をはじめ、実験協力者の募集(妬み生起や緩和に関する実験の先行研究が少ないため、実験設定の吟味ごとに協力者を多く必要とする可能性がある)にあたって、他分野・領域との連携・協力が必須であり、より密な情報交流が可能な体制を整える。 (3)今後は、ウエアラブル脈拍系で計測した脈拍数から算出する集団における共感性数値の精度向上に向けて、脈拍以外の同期生体信号情報を抽出することを検討する。
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Report
(1 results)
Research Products
(19 results)