Project/Area Number |
22K03043
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10010:Social psychology-related
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
村山 綾 近畿大学, 国際学部, 准教授 (10609936)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 公正推論 / 文化比較 |
Outline of Research at the Start |
日本人の内在的公正推論(例:悪いことが起こったのは、その人が悪い人だから)の強さの背景にある文化心理学的、社会生態学的要因を明らかにするためにいくつかの研究を実施する。具体的には、包括的な思考体系、災害などの自然発生的なネガティブ事象の発生頻度の高さ、犯罪などの社会的なネガティブ事象発生率の低さが、日本人の内在的公正推論を強めるという仮説を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、文化心理学的・社会生態学的要因の特徴によって内在的公正推論(ある人物に偶然起こったネガティブな事象を、そのような因果関係が物理的に生じ得ないにもかかわらず、その人物の過去の道徳的失敗に原因帰属すること(例:悪いことが起こったのは、その人が悪い人だから))が強まる可能性を検証するために、日本国内での調査、および、 他文化圏でデータを収集するための準備を行った。調査の前段階として、まずは思考スタイル尺度(Choi et al., 2007)の邦訳版を著者への許諾をとった上で作成した。本尺度は、東アジアで優勢であるとされる包括的思考スタイル、北米などで優勢とされる分析的思考スタイルの個人差を測定するものである。内在的公正推論は、物理的な因果関係がない2つの事象に因果関係を見出す傾向であるため、このような思考スタイルの違いが公正推論の文化差を生じさせている可能性がある。 邦訳版尺度の作成に加え、今後の研究で刺激として用いる、偶然性の高いネガティブ事象の選定、ならびに統計データの整理を行った。その際、交通事故死亡率や感染症による死亡率などの「選択的運」と呼ばれるものと、台風や地震といった自然災害による被害などの「自然的運」と呼ばれるものに分類した。選択的運は、自然的運と比較して、当事者に対して内在的公正推論が行われやすい可能性がある。以上のようなネガティブ事象の種類と発生確率との組み合わせに基づいて、本研究で刺激として用いるのに妥当な事象を選定することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
先行研究のレビュー、ならびに思考スタイルを測定する尺度の邦訳版作成に当初想定したよりも時間がかかり、全体のスケジュールとしてはやや遅れている。ただし、研究計画に沿って着実に研究は進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、Gelfand et al. (2011)に基づき、自然災害の多さと犯罪や事故などの発生率の対応関係を確認する予定である。また、世界価値観調査のデータを利用して、各国のネガティブ事象の発生頻度から算出予定の合成変数と、特に規範意識にかかわる項目への回答傾向との関係についても検討する。これらのプロセスを通して、日本の特徴についても把握する。その後、自然的運、選択的運の定義に沿う事象を対象とした刺激作成や予備的調査を行い、国際比較調査を実施する予定である。
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