Project/Area Number |
22K03086
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10020:Educational psychology-related
|
Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
中道 直子 東洋大学, 福祉社会デザイン学部, 教授 (10389926)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | 幼児 / 食物 / 社会的学習 / ネガティビティ・バイアス / 認知発達 |
Outline of Research at the Start |
幼児はいかにして毒を避けながらも,食べられる物の種類を増やしていくのだろうか?本研究では,特定の価値を持つ社会的情報を偏って信頼するバイアスが,上記の問題を解決する1つの手段となり得るか否かを,検討することを目的とする。具体的には,新奇な食物の美味しさや健康度に関して価値の葛藤する情報(ポジティブな証言 対 ネガティブな証言)を与えられる時,幼児がいずれの情報を信頼し,食物選択のために利用するのかを3年をかけて調べる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,食物の社会的学習場面において,幼児は特定の価値の情報を選択的に信頼するというバイアスを示すかを検討することを目的としている。この目的の達成のために,2022年度は,2つの研究を実施した。 第1に,幼児を対象に実験を行い,他者の好きな食物と嫌いな食物のどちらをより記憶するかを調べることで,「何を食べるべきか」と「何を食べるべきでないか」のどちらを優先的に学んでいるのかを検討した。具体的には,パソコン上で幼児が,女性が複数の新奇な食物(外国の安全な果物)の好みを説明する動画を呈示した。その後,同じ食物を新しい順番で再度呈示し,記憶質問を行い,他者の好きな食物と嫌いな食物の記憶力を比較した。また保護者を対象に,子どもの偏食や拒食に関する質問紙調査を実施し,子どもを対象とした記憶実験の成績との関連を調べた。2023年度は前年度に行われた実験1の結果を補完するための実験2を行った。これらの成果をまとめた論文を国際学会誌に投稿する準備をしている。 第2に,幼児を対象に実験を行い,幼児がいつ母親の食物選択を模倣すべきと考えているかを検討するために2つの実験を行った。実験1の結果は,幼児は新奇な食物の中から選ぶ時に母親の食物選択を模倣すべきと考えていることを示した。実験2の結果は,幼児は不味い食物の割合が高い環境で食物を選択する時には,母親の食物選択を模倣すべきと考えていることを示した。これらの結果から,幼児は食物選択において2つの「When戦略」(不確実な時に模倣する,非社会的学習がコスト高になるときに模倣する)を用いることが明らかとなった。これらの成果をまとめた論文を国際学会誌に投稿し,現在査読中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の具体的な手順等の微細な変更はあったものの,当初の目的を達成するための実験等はおおむね順調に進展している。新型コロナウィルスとの共存は依然として続いているが,実験協力園のご厚意もあり,細心の注意を払った上で,幼児を対象とした実験を実施することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度は,2023年度に実施した実験の成果をまとめ,国際学会誌へ投稿しアクセプトをめざす。また追加の実験を行い,これらの成果をまとめて論文を執筆・投稿する。
|