Project/Area Number |
22K03087
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10020:Educational psychology-related
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
林 幹也 明星大学, 心理学部, 教授 (80435081)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2025: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2024: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | 社会心理学 / 孤独 / 独立性 / 思考 / 態度 / 批判的思考 / 意思決定 / 孤立 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、個人の推論能力 (思考能力) が、個人の行動特性・性格特性としての「独立性」および「孤立に耐える力」に依存するとの仮説を提起し、これを、調査 (研究1)、個別状況での心理学実験 (研究2・3)、および集団実験 (研究4)によって検証する。検証作業を通じて、個人の推論能力が個人の認知能力のみならずその個人の他者との関わり方によって規定されていることを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
個人の独立性と、思考力・推論能力の関係を明らかにするためのオンライン調査を行った。500名の参加者に対して、独立性の指標となる「単独行動への躊躇」(様々な活動に対して単独で従事することを想定した場合にどの程度の躊躇を感じるか) の評定を求めた。また、従属変数として、先行研究で用いた命題差別化課題と行為差別化課題への回答を求め、これらの得点を思考力の尺度とした。その結果、本来は単独で行うことの多い活動 (例:郵便局に行くなど) に対して単独で従事することに対して感じる躊躇が強いほど、思考力が低下するという先行研究で見られた傾向が再現された。これに加え、単独行動に躊躇しないことと、思考力の高さの2変数は、国家的権威職(国会議員、国家官僚など)への信用度の低さと関連しており、さらに、犯罪に対する厳罰化の支持と関連していることが明らかになった。つまり、単独行動に躊躇しない独立的な個人は、国家のような権威を持った集合的カテゴリに対して距離を置くという点で、行動のみならず社会的態度においても独立的であることが示された。また、独立性は社会規範に対する逸脱への不寛容と関連していることが示唆された。以上に加え、2023年度調査では、「私」をどのような存在として認識しているかを明らかにするための測度を含めた。その結果、独立的な個人は、「私」を、物質であり、細胞の組み合わせであり、脳の活動から発生したものであるという、唯物的な自己観を保有していることが明らかになった。これに一致して、独立的な個人は、物質主義的価値観(物質的・経済的な個人的利益の追求)に傾きがちであることが明らかになった。以上のように、行動的な側面における個人の独立性は、幅広い社会的態度や価値観における独立性と関連しており、同時にこれらすべては思考力の高さと関連していることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで実施したオンライン調査の結果は想定を上回る成果を示しており、投稿論文2本分程度に相当する新たな発見が得られた。他方で独立性が思考力に及ぼす影響についての実験心理学的研究については当初の想定よりも遅れ、因果関係を効果的に検証できる実験計画を作成できていない。これらを総合的に勘案すれば、おおむね順調と呼ぶべきであろうと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
個人の独立性と思考力が関連しているという本研究の仮説は妥当であると思われ、両者の関連性はフクク数の調査結果によって支持されていることから眼瞼である。しかし、前者 が後者の原因となっているのか、あるいは後者が前者の原因となっているのか、さもなくば第3の変数が両者の原因となっているのかを、いくらかでも明らかにするための方策が必要であり、これについては有効な検証方法を見いだせていない。実験室において、孤独、あるいは独立性をプライムしたとき、参加者の知的課題の遂行にどのような影響が発生するかを、短時間で実施可能な社会的プライミング実験によって明らかにするという方法が有効であると思われ、引き続き、効果的な実験計画を定めるための予備実験に注力する必要がある。
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