授業外学習への動機づけの変化プロセスに基づく自律的な学習支援の提案
Project/Area Number |
22K03090
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10020:Educational psychology-related
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Research Institution | Kyoto University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
梅本 貴豊 京都外国語大学, 外国語学部, 准教授 (50742798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 勉 京都外国語大学, 外国語学部, 准教授 (30584586)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 動機づけ / 自己決定理論 / エンゲージメント / 授業外学習 / 大学生 / 変化プロセス / 自律性 / 自己調整学習 |
Outline of Research at the Start |
学校での学習とは,授業内で完結するものではない。「授業外での学び」と有機的に結びついて,深まっていくものである。特に,主に一人で取り組まなければならない授業外において自律的・主体的に学習を進めるためには,「動機づけ」が重要となる。本研究では,授業外学習への動機づけの変化プロセスと授業内外の学習の深まりとの関連を検討し,授業外学習の動機づけの変化という観点から自律的な学びの支援を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、大学生の授業外学習に対する動機づけを測定する尺度の作成および動機づけと授業外学習への取り組みとの関連について検討を行った。本研究では、授業外学習を、大学の必修科目の課題(宿題)に対する授業外での学習と位置づけた。まず、原著者の許可を得たうえで、自己決定理論に基づくKatz et al.(2011)の宿題への動機づけ尺度を翻訳した。この尺度は小学生および中学生を対象としたものであるため、大学生に適さない項目は削除し、さらに、わが国の大学生用学習動機づけ尺度(岡田・中谷, 2006)などを参考にしながら新たに項目を追加し、20項目の尺度を作成した。 そして、ある大学の学生に対してオンラインによる調査を実施し、調査時点で授業外学習を課す必修科目を履修している107名のデータを分析対象とした。まず、探索的因子分析を行った結果、自己決定理論に基づく4つの動機づけが確認された。また、それらの動機づけと、授業外学習の取り組みとの関連を重回帰分析によって検討した。その結果、授業外学習の重要性や有用性に基づく動機づけである同一化調整が、積極的な授業外学習行動につながることが示された。さらに、授業外学習の面白さや興味に基づく動機づけである内的調整が、授業外学習におけるポジティブな感情につながることが示された。 以上より、授業外学習においては、内的調整と同一化調整が特に重要になる可能性が示された。授業外学習に特化した動機づけについての検討はこれまでほとんど行われていなかったため、本研究の知見は教育実践に重要な示唆を与えると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定されていた授業外学習に対する動機づけ尺度の作成と、動機づけと授業外学習への取り組みとの関連について検討することができた。そのため、本研究は順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の2年目には、授業外学習の動機づけの変化を規定する先行要因の解明について検討を行う予定である。具体的には、1セメスターにおける縦断的な調査により、授業外学習の動機づけおよびその先行要因と考えられる、メタ認知、動機づけ調整方略(自分の動機づけを高めるやり方)、クラスの雰囲気や教員の指導スタイルの認知などを測定する。そして、ランダム切片交差遅延パネルモデルなどによる分析を用いて、授業外学習の動機づけの変化にどのような要因が関連するのかを明らかにする。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)