周辺視における位置ずれ現象を利用した物体の知覚位置生成過程の解明
Project/Area Number |
22K03195
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10040:Experimental psychology-related
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
寺尾 将彦 山口大学, 時間学研究所, 講師 (50772357)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 周辺視 / 位置知覚 / 時空間情報処理 / 空間知覚 / 大域処理 |
Outline of Research at the Start |
互いの距離が大きく離れた二つの物体の位置が周辺視野に呈示される時に互いが近づいて見える知覚的位置ずれ現象について、その現象がどのような特性を持ち、どういう原理で位置がずれ、どのような条件で生じるのかを、心理物理学的手法で詳細に調べることで、周辺視野における大域的な位置計算がいつ、どこで、どのように行われるのかを明らかにし、知覚位置生成過程の理解を進展させる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、周辺視野における大域的な計算がいつ、どこで、どのように行われるのかを明らかにし、知覚位置生成過程の理解を進展させることである。周辺視では、物体位置を示す入力情報の感覚証拠自体が貧弱であるため、様々な手がかりと組み合わせて事物の位置推定がなされていると考えられる。一方、どのような様式や過程を経て情報を統合しているのかはほとんど分かっていない。そこで本研究では、時空間的な情報統合を切り口に、多面的かつ探索的に複数の感覚刺激がどのように時空間的に統合されるのかを研究していく。本年度は、広範囲、高速、かつ高精度に実験刺激が提示できる実験環境を新しく整備した。また、環境に合わせ、実験プログラムと解析プログラムを作り直す必要が生じたので、新しく用意した。これら新しく整備した研究環境で、本研究計画の骨子となる予備的に発見していた周辺視野において他の物体位置の影響をうけてある物体の見かけの位置がずれて見える現象を再現できることを複数人の実験参加者により客観的に確認するとともに、当該現象の頑健性を確認した。さらに、先行研究との比較のための新しい実験パラダイムを計画し、そのための実験プログラムを作成し、予備的な観察を行った。またその過程において、周辺視で時空間的にはなれた視覚刺激が他の視覚刺激の見かけの色と傾きに影響を与える新しい現象を発見した。また、同じ位置に処理速度や処理過程の異なる二つの感覚刺激を提示した場合に、それらが同時に感じられる同時性の情報統合窓を測定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新しい実験環境によるプログラム、解析ツールの作成や、それらを用いた現象再現の確認のほかに、同時並行していくつかの新しいデータを得ることが得られ、そのうち一つは国際会議に発表予定である。これらから進捗は概ね良好と言える。一方、交付された予算では申請時に予定していた装置の購入が難しいことが判明し、計画を遂行するための必要な装置の再選定と新しい環境の整備に時間がかかり、それを必要とする実験を進めることが遅れた。また、コロナウイルス蔓延に対する感染対策を重視する現況により実験参加者を増やすことに多少の困難が生じていた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度セットアップを行った新しい実験系を用いて、これまでの研究によってあぶり出された課題に基づき、本年度の路線を踏襲しながら新たな実験研究を行い、研究成果につなげていく。特に、申請者が発見した位置ずれ現象と運動視処理との関係を明らかにする研究を優先的に行いたい。随時、これまでに得られた成果やまとまった成果については、学会発表および論文投稿等によって成果発表を行なっていく。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)