食物摂取における感情の心身相関とその神経基盤の解明
Project/Area Number |
22K03205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10040:Experimental psychology-related
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
佐藤 弥 国立研究開発法人理化学研究所, 情報統合本部, チームリーダー (50422902)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 食物 / 感情 / 心身相関 |
Outline of Research at the Start |
食物摂取における感情反応は,ヒトの生活にプラスにも(幸福増進)マイナスにも(肥満や生活習慣病)大きな役割を果たす.しかし,ヒトを対象として食物摂取時の感情の主観的経験と生理反応の心身相関を調べた研究はほとんどなく,またその基盤にある神経メカニズムは不明である.この問題を検討するため我々は,一連の心理学・神経科学研究を実施する.得られる知見は,食物摂取時の感情の心身相関とその神経基盤を明らかにし,ヒトの食物処理および感情について重要な理解を提供するだろう.
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Outline of Annual Research Achievements |
様々なフレーバとテクスチャのゲル状食品を咀嚼ありで摂取する際の主観感情評定および生理信号を計測する実験を実施した.27人の被験者を対象として,一口サイズのゲル状食品を使い捨てスプーンで呈示した.主観評定として,好き・食べたい・感情価・活性度について9段階で評定した.生理的信号として,皺眉筋・大頬骨筋・咬筋・舌骨上筋からの表情筋筋電図,および皮膚電気活動・心拍数・サーモグラフィー(興味領域解析での鼻部皮膚温)を計測した.解析の結果,好き・食べたい・感情価の評定と皺眉筋筋電図の負の相関などが示された. 加えて模擬fMRI環境下での刺激呈示として,ETT Gustometer 2 (Emerging Tech Trans社)を用いた機械的な刺激呈示の予備的検討を実施した. また食物に対する感情経験の生理相関に関する先行研究をサーベイし,概論としてまとめた. さらに咀嚼が表情筋活動にどのように影響するか,その影響を信号分析により除去できるかを調べる基礎実験を実施した.29人の被験者を対象として,皺眉筋・大頬骨筋・咬筋・舌骨上筋から表情筋筋電図を計測しながら,咀嚼を含む様々な表情筋活動を意図的に実施した.実験の結果,咀嚼により皺眉筋は顕著な影響を受けないが大頬骨筋は影響を受けること,そうした影響は全チャンネルの信号について独立成分分析して咬筋・舌骨上筋由来の成分を除去することで減弱できることが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り,様々なフレーバとテクスチャのゲル状食品を摂取中の主観感情評定(好き・食べたい・感情価・活性度)および生理信号(皺眉筋・大頬骨筋・咬筋・舌骨上筋からの表情筋筋電図および皮膚電気活動・心拍数・サーモグラフィー)を計測した.加えて,次年度の準備としてfMRI環境下での刺激呈示に用いる機器のテストを実施することができた.また表情筋筋電図におけるアーチファクトの影響を調べる基礎実験を実施することもできた.
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り,令和4年度の心理実験の成果を生かして同様のパラダイムを用いて,食物摂取時の主観・生理反応を計測する課題を遂行中のfMRIを計測する方針である.課題は心理実験と同様のものを用いる.食物刺激の呈示は,ETT Gustometer 2 (Emerging Tech Trans社)を用いて制御する.スパース撮像法など撮像方法の工夫を予定している.BrainAmp社ExG MRを用いて表情筋筋電図を同時計測する.脳画像の解析として,申請者らの先行研究 (Sato et al., 2019: Scientific Reports, 10, 2951)と同様に動的因果モデリングにより神経ネットワークを解析する.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)